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【ブラジル公演の記録】


ブラジル1「双子学園双子部/カイシャモノガタリ」

日時:1988.7.4-7.5(計3ステージ) 場所:高田馬場プロトシアター 作・演出:ブラジリィー・アン・山田 出演: 牧山祐一・野口かおる・恒川稔英・杉井邦彦・青木岳美・中田豪一・小岩井涼宇子 内容:全員双子の一人二役という実験的な様式で「自分と自分によく似た人間」 という自らのアイデンティティを問う『双子学園双子部』と、身体障害者を補助 金のために雇う悪徳会社での新人女子社員と障害者の心の交流を描く『カイシャ モノガタリ』という長編コント2本立て。 コメント:  このころはまだ東京オレンジ若手公演という意味合いの強かったブラジル。下ネタ 禁止令の出た東京オレンジの稽古場での面白さをどうにかして伝えたいという意気込みで 挑んだ実験公演。 当時見た、本多劇場なのに素舞台というマシュマロウェーブの影響を色濃く受け、コ ントなんだけどちょっと考えさせられる作品を目指した。下ネタ8割という品のな さをを全面に押し出した笑いに関しては、賛否両論。メロンパンの匂いを嗅ぐとア ナルを思い出し気持ち悪くなる恒川、茄子を生で食う杉井、エリンギにケチャップ をつけたものを握りしめる野口と「チンポ返せ」とそれを追う牧山、このころから 食べものを舞台に載せる傾向が随所に見られる。  恒川の紹介で、河井克夫さんにチラシのイラストを書いてもらったのも、今となっ てはいい思い出。それにしても、なぜか黒字がか なり出た公演だったが、稽古場で杉井が熱演し過ぎで公民館の机をたたき割り、そ の修理代が5万かかった。それでも黒字が出た、いい思い出だ。 --------------------------------------------------------------- ブラジル2『行方不明(仮題)』 ロケ時期 1999年7月 監督 ブラジリィー・アン・山田 出演 泉陽二・杉井邦彦・ほか 内容:20代前半最後の冒険として、ママチャリで新宿アルタ前絵から宗谷岬を 目指す。予算の都合で、全日程を野宿。計画ミスにより、梅雨前線とともに北上。 その旅の有り様をドキュメンタリー映画として作品にする(予定です)。 コメント: この頃のブラジルは、ブラジリィー・アン・山田の活動という枠組みで、特に舞台 という限定はなく、映画を撮ろうと思い立ち、旅に出ました。「なぜ旅?」と思う かもしれませんが、この頃、平野勝之監督の『由美花』『流れ者図鑑』を見て、い たく感動し、「俺もこれがやりたい」というただそれだけの思いで、ママチャリで 北海道に出発しました。文系で実家暮らしの私には、16日間野宿旅行は肉体的に も精神的にもいたく厳しかったものです。相棒の泉はへっちゃらのようでしたが。 この旅はHi8の60分テープ20本として記録されているが、今だに技術不足・資金不 足にて、編集できていないのが実情です。いつか編集します。 ちなみにタイトルはカフカの『アメリカ』の原題にちなんでいます。 「地平線の彼方、そこにはなにもなく、僕は行方不明になった」というのが宣伝文 句でした。ほんと辛かったけど、楽しくもあった。 今度は、女の子と行きたい。 --------------------------------------------------------------- ブラジル3『甘い生活/ペットの健康と長生きのために』 日時 2000.6.6-6.7(計3ステージ) 場所 中野スタジオあくとれ 作・演出 ブラジリィー・アン・山田 出演 野口かおる・対馬陽子(東京オレンジ)・杉井邦彦(東京オレンジ)   ・原豊(cretan crete)・辰巳智秋(cretan crete)・毛利亘宏(少年社中)   ・本田一也・岩崎詩子 内容:オムニバス形式で「男たち」と「女たち」と「男と女」を繊細に描くコント集。 コメント:飲みの席で、今度ブラジルに出演してくださいと対馬陽子大先輩に酔いの勢い 任せてお願いしたところ、ふたつ返事が返ってきたので、そのまま勢い任せで企画した コント公演。当時は、遅まきながらシティボーイズにはまっていて、その影響を受けた、 ナンセンスなシーンの数々がなんとかつながっていく構成でした。 初舞台となるHMV契約社員のバンドマン「本田一也」、爆弾小僧似の少年社中主宰「毛 利亘宏」や、歌のみの出演となる元東京オレンジ「岩崎詩子」など、個性的 かつ冒険的なキャスティングで臨んだ。 ラストシーンの、野口と岩崎がティッシュの山に埋もれ、囁くように歌う東京NO.1ソウ ルセットの「DOG DAY AFTERNOON」に歌詞を付けたシーンは絶賛される。 笑いの方は、ややシュールすぎて、受け入れられず。笑いは難しい。 -------------------------------------------------------------- ブラジル4「ロマンティック海岸/科学ノトリコ」 日時 2001.02.06-07 場所 中野スタジオあくとれ 作・演出 ブラジリィー・アン・山田 出演 野口かおる(双数姉妹)・原豊(cretan crete)・辰巳智秋(cretan crete)   ・川本裕之(KAKUTA)・近藤美月(bird's-eye view)・本田一也 スタッフ 音響:島貫聡 照明:熊沢勇気 制作:眞覚佳那子 内容;海辺の研究室を舞台に、偽物の科学者たちが繰り広げるドタバタラブコメディ。    かと思いきや急展開し、B級ホラータッチへ。狂って酸を吐き散らす恋人を、    命がけで止める男の純愛ストーリー。 コメント:やりたいことをやりまくったブラジル初期の名作。早稲田大学演劇研究会の 同期・楢原拓(=chari-T)が主宰するチャリT企画の「ブタ女の叫び声はキャーと出るか、 ブーと出るか」を観て、自分の好きなことをやりたい放題のやりっぷりに深く感銘し、現在 のスタイル『苦笑系喜劇(当時は『エロ・グロ・ロマンティック』)』を確立する。 野口かおるという俳優の破天荒っぷりを軸に、それぞれの「地」の部分を大切に「生」な やりとりで娯楽作を作り上げた。 初の通し稽古で、毒汁のまずさに野口が気持ち悪くなり(この頃はまだレシピが安定せず、試行 錯誤であった)、「まるで犯されているみたいだった」と言って泣いて殴られたり、 2月という時期に、出演者全員が毒汁や血ノリを吐いたり浴びたりで、俳優全員みな風邪をひく。 この公演で、bird's-eye viewというオシャレな劇団でホンモノの気狂いを演じていて(演じて いないのか?)一目惚れした近藤美月が、ブラジルに初参加。 -------------------------------------------------------------- ブラジル5「ひとつだけあげる 睾丸を キミに」 日時 2001.5.22-23 場所 中野あくとれ 出演 辰巳智秋(cretan crete)・野口かおる(双数姉妹)・佐藤春平(少年社中)    加藤妙子(少年社中)・狩野和馬(InnocentSphere)・近藤美月(bird's-eye view)    内久保智子・佐藤亜紀 スタッフ 音響:島貫聡 照明:熊沢勇気 制作:眞覚佳那子 内容:地方のスーパーマーケットの従業員室を舞台に、店長と愛人とその妻とその隠し子や、    恋人に睾丸をあげた男やそれをもらったけど困っている女など、普通の人たちの異常な愛憎を    ライトにコメディタッチで描く。 コメント:初期ブラジルの中でも、最も汚れ物の少ない作品のひとつ。作品の完成度も高い。 といっても、佐藤春平が口から睾丸(人間のものは使えないので、鳥の生睾丸で代用)を吐いたり、 ラスト辰巳と春平の絡み(春平がバックで辰巳を犯す)の汚さはブラジルの作品の中でも最も 汚いシーンのひとつと言っても、過言ではない。コメディとグロさの巧みなバランスで好評を得た。 そういえば、タイトルが恥ずかしくて、チケットぴあで買えなかったというお客さんのアンケート もあったが、アン山田はひじょうにロマンティックなタイトルだと思う。 この公演では、ダイヤモンドの原石(と言えば褒め過ぎだろうけど)、女優・内久保智子と出会う。 今は、彼女は俳優を辞めてしまった。ひじょうに惜しまれる。 -------------------------------------------------------------- ブラジル6「白濁色〜ハクダクショク〜」 日時 2001.9.21-23(5ステージ) 場所 高田馬場プロトシアター 出演 野口かおる(双数姉妹)・伊藤伸太朗(チャリT企画)・川本裕之(KAKUTA)    井俣太良(少年社中)・奥村愛(太平洋)・中村靖(双数姉妹)・青木岳美 スタッフ 制作:萬代純子 内容:間違えて誘拐してしまい、3人の人質を抱えてしまった間抜けな誘拐犯3人。    微妙な三角関係で繋がれた3人と、人質の間には白濁色の液体を吐く奇妙な    病気が蔓延。殺しはしたくない犯人たちは、人質たちに、逆に追いつめられ    ていく。 コメント:早稲田界隈から個性的な俳優を集め、ブラジル初の金土日の週末公演(それまで平日 公演でした)。気合いを入れたにもかかわらず、客足は伸びず、400人弱の入りだったと思う。 双数の中村靖はほぼ出ずっぱりの生涯初の大役に、「本番中に楽屋に戻って台本を読む時間がない」 と名言を残す。本番中に台本は読みません。俳優たちが吐く白濁色の液体は、飲むヨーグルトと ヨーグルトを混ぜた液体を前半から吐きまくるので、最前列のお客様は普通に気持ち悪くなる。 シャワーもない劇場で、全身白濁色の液体まみれになるので、野口かおるは楽屋で下着姿で、 キレた。今となってはキレる気持ちもよく分かる。 青木岳美と川本裕之の衣装が入れ替わるというシュールなネタが気にいってる。岳美かと思いきや、 振り返ると、川本だった。おそらく川本史上、一番恥ずかしい衣装である。ヒョウ柄っていうか ヒョウの顔がプリントされたシャツ(目が光る!)に、紫のタイツ履いてホットパンツであった。