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三重県上野市










5.上野は食虫の楽園だ。
 伊勢から津ICに向かう途中には「サンクス」というコンビニがある。私を含む 高速組はここで昼食を買う事にする。品揃えが多くて大変重宝する。 昼食を買い、一揃いになって津ICから関JCを経由して西に向かい、30分走ると 上野東ICに到着する。上野市は伊賀忍者の里でその名を知られている。上野は 走って見ると分かるが、四方を山に囲まれた盆地である。また各所にため池が多く その昔、治水の面で苦労していたのだろうなとかつてこの地を耕していたであろう 古人の苦労が偲ばれる。
 最初に訪れるのは毎年行っている森林公園に隣接する湿地である。上野ICを降りると 丁度、下道組も側道から到着した。偶然とはいえこんなこともあるのだなと思う。 そのまま合流し、一路、森林公園の駐車場口を目指して車を走らせる。毎年、ここを 訪れるのだが大抵、1台は入り口を間違えて行過ぎてしまうのだ。分かりにくいわけ ではないが、何を隠そう私も2年連続間違えた栄えある(?)経歴を持つのだ!今回も 車の中で「間違えないように。」と喋りながら行ったおかげで無事到着。全員の 到着を確認し、皆、持参した長靴に履き替えて自生地にいざ出発!伊勢で降っていた 雨は知らないうちに上がっていた。
 ここに自生する食虫植物はD.rotundifolia(モウセンゴケ)・D.peltata(イシモチ ソウ)・U.bifida(ミミカキグサ)・U.caerlea(ホザキノミミカキグサ)の4種である。

 何故かここにはD.tokaiensis(トウカイコモウセンゴケ)はないのである。また、 ため池もいくつかあるのだが何故かタヌキモの類は見つからない。この湿地は小高い 丘の頂上の窪地に位置するので、タヌキモは入って来られなかったのだろうか? 早速、駐車場から徒歩で湿地に向かう。ここは公園と言っても人工的なものは殆どなく 自然がそのまま残されている。遠くにウグイスやハルゼミが啼き、蝶が舞い、足元には キマワリがうろついている。途中水路があり、毎年ここでコオイムシが見られるのだが 今年は見られない。時間があればゆっくり探す事も出来るのだろうが、ちょっと時間が 押しているので先を急ぐ。水路をこして分かれ道を左に...。ため池を見ながら 狭い道をウロウロ入り込んでいくといきなり道が開けて草原のような場所に出る。 ここが目指す湿地である。例年より2週間近く遅くの訪問なのでイシモチソウはもう 終わって地上部は黒く立ち枯れ状態なのではないかと思ったが、どっこいイシモチソウ は我等をちゃんと待っていてくれたのだ。株数こそ少なかったが白い花も咲かせている ものもあり、しばし我等はその清楚な姿に見ほれているのであった。少し進むと 窪地があり、ここは奥のため池から水が流れ出て、水が豊富にあるのでD.rotundifolia が自生しているのである。この辺りはキチンと棲み分けが出来ていて見ていて面白い。 今回は遅いせいもあってU.bifidaが黄色い花をつけてるではないか!中にはミミカキ (果実)までつけていたのもあって、思わぬ出来事に皆興奮を隠しきれない!「もう 咲いてるんだ〜。」「どこどこ??」湿地のアチコチで興奮した声が聞こえた。
もう少し奥に行くと、池に注ぐ水路があってその脇を進む。ここは水路脇にミズゴケが 繁茂し、D.rotundifoliaがびっしりと生えている。ここのD.rotundifoliaは2タイプ あり、普通に緑色のものと真紅のものがある。さながらD.rotundifolia all redという 所であろうか?この水路にもU.bifidaはあり黄色い花を咲かせている。U.caerleaは もっと上流にあるのだが今の時期にはまず花が咲いておらず、見つけるのは困難で あろう。それよりもこの水路には世界最小のハッチョウトンボが生息しているので 皆はその小さくて綺麗な姿をカメラに収めていた。
 そろそろ時間なので順に戻っていく。ひとまず、先ほどの窪地まで戻ると鵜原さんが 興味深い話をされた。この窪地(窪地はため池も含めて3箇所ある。)は実は人工的に 作られたため池の後なのである。実際に簡易的にボーリングしてみると殆ど表土が無く 下は砂利なのである。だからこの自生地自体は太古からあったわけでなく近世に作ら れたものが引き金になって出来たのであろうということを話されていた。しかし、 こんな小高い山の上に何故ため池を作る必要があったのか?先に言った治水の件で 近くに革が流れているのにも関わらず、治水権が得られず、やむを得ずここにため池を 作り、水を得たのであろうか?それとも、隠し田で年貢を収めるのとは別に自分たちで 食する分を作っていたのだろうか?想いは尽きない。大変興味深い話なので是非、 情報誌などで公開していただきたいものだと思う。
 そんな話をしているうちに大体揃ったので駐車場に戻ることにした。関東から いらした池田さんは昆虫がお好きで色んな昆虫が目につくと興味深そうに観察 されていた。戻る道すがら「サシガメを見た!」とやや興奮されながら話されて いた。私も昆虫は嫌いな方じゃないので「ヨコヅナサシガメはご覧になった事はあり ますか?」と振ると無いとのこと。見たいそうであるがまだ東京までこの虫は進出 していっていないのであろうか?面白いもので食虫好きは大抵その他の趣味も 共通するものがあるようだ。昆虫類好き、車好き、熱帯魚好き、蘭好きなどなど。 従って他の話でも色々話せて楽しいのである。
 駐車場に着き、宮本さんの案内であちこちの自生地を回るが時間も3時を回っている のであまり数は回れないので厳選した2ヶ所を回る事になり、1つ目はここから 20分くらいとのことなので靴はそのままで乗り込むことにした。  尚、ここでお子様連れの伊藤さんは一旦お帰りになり、夜の宴会で合流する事となり ました。平山さんも一度所用でご自宅に戻り、夜中に各務原までいらして明日の知多の 自生地に参加されるそうだ。しばしの別れを告げて我々一向は次の自生地に向かうので あった!次は大変珍しいイトタヌキモ(U.exoleta)が見られるのである。さて、次は どんなことが待っているのだろうか?

トップ栽培場JCPS案内浜田山集会分譲画像文献自生地南総リンク

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