ブロイラー養鶏が日本に導入されてわずか50年しか経っていませんが、この50年間でブロイラー養鶏と言う物は、大きく様変わりしたといっても過言ではない、農業経営といえるでしょう。当初は個人経営のブロイラー養鶏も、近年は企業化による大規模経営化が進み、その中でも"インテグレーション経営"と言う経営法が最近のブロイラー養鶏の主流を占めるまでになりました。
インテグレーションとは(Integration)=統合・合併を意味する言葉で、孵卵・飼育・加工・販売までの一貫した体制の経営の事で、もはや農業と言うよりも"鶏肉製造工場"と言った方が良いのかも知れません。
まず種鶏を大量に飼い、有精卵を集めて人工的に孵化させ、孵化したひなを飼育・肥育し、自前の食鳥処理場で屠殺・加工した上で、精肉・加工肉として販売する。こうなってくると、かなりの土地と人件費・資本金が必要になってきますが、ブロイラーの場合、回転率が非常に早い(孵化から2ヵ月半で食用になる)ので資金繰りも短期間で行う事ができる利点があるため、このようなインテグレーション経営はブロイラー養鶏において、これからどんどん主流になっていくでしょう。
食肉処理施設の建設は、都道府県で定められた"と畜場法"と言う法律の元に、個人持ちのと畜場の運営の申請をしますが、一般的なと畜場に比べると"食鳥処理場"に関しては(若干ながら)設置がしやすい事と、豚や牛のと畜場に比べると鶏肉の場合、規模もそれほど大きくなく、尚且つすぐさま鶏肉を加工に移す事ができると言う事から、これからインテグレーションにおけるブロイラー養鶏経営において"自前の食鳥処理場"を所有するのは当たり前になってくる物だと思われます。
こうなってくると、ブロイラー養鶏は一層の企業化が進み、企業単位におけるブロイラーの飼育羽数も相当な物になってくると思われます。現段階ではブロイラーがインテグレーション経営の先端を進んでいますが、これから先には"養豚"や"採卵鶏養鶏"も、インテグレーション化が進んでくるものと考えられます。特に、養豚・採卵鶏養鶏も企業化が著しい畜産分野です。
と畜場法の都道府県の認可次第にもよりますが、養豚のインテグレーション化は俺の見積もりだと、少なくとも10年〜20年後には、ほぼ大半の大規模養豚場で行われていくものと思われます。一方の採卵鶏の方は廃鶏の処理場や、GPセンター(卵の集荷場)の問題も考えると、養豚よりは若干遅れてのインテグレーションか経営が進むのではないかと考えられます。