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長尾鶏の話


今年も残す所1日となりました。酉年の締めは、やはり鶏の記事で締めましょう。
日本鶏はほとんどが天然記念物ですが、尾長鶏だけは唯一"特別天然記念物"にされています。
この尾長鶏は"突然変異"で誕生したものと思われている人が多いようですが、この鶏は人工的に作られた品種です。

長宗我部氏が滅んだ後、遠州掛川から土佐に入国した山内家は、土佐山内家二代目藩主・山内忠義が、参勤交代の折に矛先に、この長尾鶏の羽根を付け自慢しながら出発したと言われています。
山内忠義は参勤交代の目印に"目立つもの"を、郷士や農民に作るようにお触れを出しました。
起源は明暦年間・1655年頃、長岡郡大篠村篠原(現、高知県南国市篠原)で床屋をしていた武市利右衛門が飼っていた"小国(しょうこく)"という種類の地鶏に突然変異が起きて、尾が長くなったものとされています。この武市利右衛門と"土佐勤皇党"の首謀者だった武市瑞山との関係は、今の所は明らかにされていません。

江戸初期の当時各藩は、参勤交代の行列の先頭で振りかざす毛槍(けやり)に使うため長い鶏の羽を探していたので、土佐藩では尾長鶏の存在を極秘にし、鶏は勿論のこと"卵さえ藩外へ持ち出すことを厳禁した"と伝えられています。
鶏は年に一回、新しい羽毛に抜け換わる換羽現象がありますが、尾長鶏の雄には"尾の部分だけが抜けない"で羽がどんどん伸びる性質があります。最初のころは羽に茶色が混じった五色鶏でしたが、明治時代になって白・黒・緑色の白藤種(しらふじしゅ)、茶色系の褐色種、白だけの白色種に改良されました。このうち尾がよく伸びたのは白藤種で3m位です。
大正時代に止箱(とめばこ)が使われるようになって、尾羽がさらに伸びだしました。この箱は高さ1.8m(現在のもの)、1羽だけ入れる大きさになっていて、その中で尾羽が損傷したり抜けたしないように自由な動きを極端に抑制して飼育する道具です。軽い運動をさせるため外に出すときは、人が長い尾羽を手に巻いて持ちます。こうして1年に1mくらいずつ伸びるオナガドリができてきました。
尾の長さの今までの最高記録は18年間生きて、13mもの長さが最高でギネスブックに出ています。尾の伸びる鶏を見分けるのは1年たってからだそうで、その中から約1500匹位の中の一匹位と非常に出現確率は低いのです。

尾長鶏のほか、高知県はさまざまな鶏がいます。鳴き声の美しい東天紅をはじめ、日本鶏の原種と言われる土佐地鶏。土佐で改良された"土佐小チャボ"、他には名古屋コーチンの親戚にあたる土佐九斤・最近では土佐地鶏とロードアイランドレッドを交配した"土佐ジロー"と言う卵肉兼用種の愛玩鶏版"プチコッコ"etc.高知県は知られざる鶏王国だったりします。

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