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野菜の養液栽培技術


近年、野菜や花卉の分野において"養液栽培"と言う技術が行われています。普通、植物は普通土に植えて育てますが、養液栽培とは土の代わりに固形の培地や水の中に根をはらせ、生長に必要な栄養成分を含んだ培養液を与えて栽培する方法です。メリットとして、根から感染する病気の発生が減少する・土作り・かん水・除草といった作業が省ける・栽培装置の改善によって作業姿勢が楽になる・病害の発生が減少して薬剤散布の回数が減るなどの長所があります。
また養液栽培は、作物の成長が早く、葉菜類(キャベツ等)では年間の収穫回数が多くなり、収量が増加します。さらに、培養液の排出を抑える事により、肥料の無駄が少なくなります。
しかし、施設・装置の建設コストが高価な事や、培養液の調整・維持等に細かい管理をしなくてはならないと言う欠点もあります。

養液栽培は、大きく分けて固形培地を使わない水耕栽培法と、固形培地を使う固形培地耕とあり、共にいくつかの方式が工夫されています。
水耕の代表的なものでは"たん液型水耕法"と言う方法が用いられ、栽培ベッド内に常に多量の培養液が保持されており、栽培ベッドと培養液貯蔵タンクの間を培養液が循環するシステムです。培養液の量が多いこともあり、培養液の組成・濃度・液温等の変化が少ないのが特徴です。これには、タンクを用いない方式もあります。
一方の固形培地耕の代表的なものは"ロックウール耕"で、保水性・通気性のよいロックウール(玄武岩や製鉄鉱さいなどを高温で溶解→繊維化→整形したもの)を培地にします。培地内の水分調整、育苗や定植時の株の取扱、培地の更新が容易です。しかし、この培地は岩石を主原料にしているために、使用後の処理問題が悩みの種です。

さて、この養液栽培に用いる培養液は、野菜の種類ごとに培養液は処方されており、窒素は主に硝酸態の形で与えられ、培養液成分の中では最も高いのが特徴です。アンモニア態の窒素は、濃度が高いと成長が阻害されやすくなるために、濃度は低く設定されているか、もしくは与えられていません。鉄は沈殿しやすいので、水によく溶けるキレート鉄と呼ばれる化合物で与えられます。
培養液作成の際は、水量に対して溶かす各塩類の量、溶かす順序(見本として、硫酸マグネシウム→硝酸石灰→硝酸カリ→第1燐酸アンモニウム→キレート鉄→微量要素原液)を守り、いずれの塩類も完全に溶かします。水道水を使用する場合は水1000g当たり、2.5gのチオ硫酸ナトリウムを加え、残留塩素を分解させます。できあがった培養液は、濃度やpHを検査した後使用します。
培養液の各養分の濃度やpHは、野菜の成長に伴った変化することが多いので、栽培期間を通じて培養液の組成・濃度およびpHを一定範囲内に保つために、1〜2週間に1回の割合で、培養液の分析を行い、補正する必要があります。補正の方法には、EC制御法とイオン濃度制御法があります。
EC制御法とは、培養液のECを測定し、肥料および水を追加することにより、設定しているECに戻す方法を言います。一方のイオン濃度制御法は、各多量要素の濃度を測定し、個々に濃度を修正する方法をいいます。EC制御法とイオン濃度制御法を比べた場合、イオン濃度制御法の方が、培養液の組成・濃度が安定します。

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