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法律討論会




第28回 九州瀬戸内学生法律討論会 結果報告

6月11日に広島大学主催で開催された「第28回 九州瀬戸内学生法律討論会」において広島大学の立論者・石川泰山くん(2回生)立論の部で第3位に入賞しました。また質問の部では橋本尚樹くん(2回生)が実質第3位になりました。




法律討論?

法律討論会とは、字のとおり法律の問題に対して討論する大会です。

どのようなことをする大会なのかというと、まず、法律に関する問題を大学の教授が出題し、大会の日までにその回答(=論旨)を作成します。

会場では、立論者は自分の論旨を10分間で発表します。
1分間の休憩をはさんだ後に、また10分間で他大学の学生からの質問に順次答えます。

この「論旨発表」と「質疑応答」が法律討論会の中心になります。
そして、この20分間のやりとりの一部始終を審査員(大学教授・裁判所判事・検察官・弁護士)が審査・採点して順位がつけられます。

また、立論者だけでなく、他大学へ質問をした人も採点され、同様に順位がつけられます。




第28回九州瀬戸内学生法律討論会 問題【民法】

1 事実の概要

 AはBに対し、マンション建築費用として、平成10年4月1日に3億円を貸し付け、その担保のためにB所有の甲建物(共同住宅)に抵当権の設定(東京法務局品川出張所平成10年4月2日受付第8498号)を受けた。Bは甲建物を複数の賃借人C1〜C30に賃貸しており(月額賃料10万円、敷金30万円)、賃料の合計は月300万円あまりであったが、平成16年10月からあへの支払いを怠っている。平成16年9月10日、BはDから9000万円の貸付を受けると同時に、本件建物についての平成16年10月分から平成19年9月分まで(利息を含め36ヶ月分)の賃料債権を、右貸金債権の代物弁済としてBがDに対して譲渡する旨の契約を締結し、DはBから譲渡通知の委任を受け、同年9月12日本件債権譲渡について確定日付を付した譲渡通知がC1〜C30に到達した。

 他方、Aは、平成16年12月20日、抵当権に基づく物上代位を申請し、東京地裁はAのCらに対する本件建物の賃料債権に対する差押命令を発した。それらの差押命令は、同年12月24日(金)、C1〜C30に送達された。そこで、Aは、上記債権差押命令に基づき取立権を取得したとして、Cらに対し、平成17年1月分以降の賃料の支払を求めた。

 ところで、賃借人Cらは、賃料の支払は前月払いの自動引き落としにしている。Cらは、平成16年12月24日(金)に差押えが送達されたが、甲建物の賃料については何も手続き(供託や自動引落停止など)をせずに1月を迎えていた(ただし、自動引き落としについてはC21〜C30を除く)。また、C21〜C30の賃貸借契約は、平成17年3月末で終了するが、Bから敷金が変換される見込みがない状態にある(破産開始決定は行われていない)。

 平成17年1月28日(金)に、Aから、C1〜C30に対して、平成17年1月以降の賃料をAに支払うように振込先を知らせてきた。その通知書には、裁判所の差押命令が平成16年内に到達している以上、平成17年1月以降の賃料をAに支払うのは法律上当然であること、これに違背した場合には直ちに適法な強制執行手段を採らせていただくことが記載されていた。


2 Aの言い分

 Bには支払の催促をしたが支払ってもらえないので、仕方なく物上代位の差し押さえをした。当初マンションの価格は3億円以上であったが、現在1億円に下落しているので競売の申立はしていない(ただし、将来は競売もありうる)。したがって、賃料からの回収は不可欠である。BによるDへの債権譲渡は、Aの物上代位を回避するために行われた仮装譲渡で無効か又は詐害的な債権譲渡であるから、Aに対抗できない。よって、C1〜C30は、物上代位の差押え到達後の賃料(平成17年1月分から)はAに支払うべきである。C21〜C30の賃料についても、2月末日までに賃料全額の支払がなければ、直ちに強制的な回収手続きをとる予定である。

3 Dの言い分

 Aの抵当権は甲建物本体に設定された抵当権であって、賃料については、従物や従たる権利と同様に建物本体とは独立した財産であり、Aの物上代理よりも債権譲渡の対抗要件が先に具備されたのであるから、Dの債権譲渡が優先する。Bから債権を譲り受けたのは、有効な貸金債権がありこれに充当するために譲渡担保として譲り受けたのであり、実際にCらは平成16年10月からDを債権者として自動引き落としをしてきた。Cらは、平成17年1月以降の賃料も引き続きDに支払うべきである。

4 C1〜C20の言い分

 平成16年10月からDを債権者として自動引き落としで賃料を支払っている。Aからの差押さえが平成16年12月24日(金)に送達されたが、供託しろとも、自動引き落としを停止しろとも何も指示がなかった。私たちは全く法律を知らないのに、12月下旬に差押命令が着いて12月末日までしなければならなかったと言われても、そんな不可能なことを法律が市民に要求するのはおかしい。一般市民に要求するのならばもっと丁寧に何をどうしろと指示をすべきである。そもそも、賃借人である私たちは、これまで賃料はちゃんと支払ってきたし、賃貸借契約を破るようなことは何もしていないのに、不利益を受けなければならない理由はどこにあるのか。平成17年1月分は、自動引き落としでDに支払っているから、Aに二度払いするつもりはない。

5 C21〜C30の言い分
 私たちは、平成17年3月末で賃貸借契約が終了し、更新しない旨を平成16年度内にBに通知している。入居の際に敷金として賃料の3ヶ月分を預託している。賃借家屋のどこも汚したり壊したりしたものはないから、3ヶ月分全額返還されるはずである。そこで、平成17年1月分から3月分までは賃料の自動引き落としを停止している。これは、Bが無資力状態で敷金の返還に対する不安があるからである。家屋引渡の時点で債務がある場合には清算する予定であり、平成17年1月以降の賃料を強制的に取り立てられるのは納得できない。そもそも、敷金は預託したものであり、Bが自己の個人財産として運用し、預託者の財産として管理していないのが不当である。

 上記の事案(事実の概要および当事者の言い分)について、平成17年1月以降の賃料等をめぐるADC間の法律関係について、法律上の問題点を指摘した上で、その是非を論じなさい。


【出題者】 広島大学大学院法務研究科教授 鳥谷部 茂



2004年活動内容と2005年活動予定

2004 5月31日 学内法律討論会(刑法)
6月12日 九州四国学生法律討論会
鹿児島大学で開催されました!
鹿児島大、香川大、福岡大、愛媛大、そしてはじめて広島大が参加しました。
10月某日 学内法律討論会(商法)
11月某日 学祭に出店
「たこやき処 やつ足」でたこ焼きを3日焼き続け、みんなの努力の賜物か、おかげさまで大盛況でした。
12月4日 全日本学生法律討論会
関東法学連、関西法学連、九州四国法学連からの代表校で行いました。
最高裁判所、最高検察庁、日本弁護士連合会、朝日新聞社、日本評論社の各団体に後援された大舞台です!
2005 3月5日 別府にて九州瀬戸内学生法学連盟委員会議
5月13日 学内法律討論会(民法)
6月11日 九州瀬戸内学生法律討論会
みなさん、お疲れ様でした!


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