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佐久間さん ご依頼のウクレレ製作

 お客様の佐久間さんから、ソプラノ・ロングネックでオールマホガニーのウクレレを製作することになりました。制作期間は40日間ぐらい。

(1)指板製作とネック切り出し。
  一番、ウクレレで重要でかつ手間のかかるのが指板です。T'sギターさんのスケール表に従い12フレットまでが174mmで17フレットの指板を作ります。(ソプラノの場合は通常170mmなのでほんのわずかに長めです)

指板は、2mm厚の黒檀で、軽量です。薄めなのでノコギリで切り過ぎないよう注意します。


マイターBox(5cm幅に設定)で溝を切っているので正確にフレットが並べられます。フレットを打ち込んだ後でも寸法通りか再びチェック。ポジションマークはアバロン貝でインレイ埋め合わせをしています。フレットのバリが、指に触れないようにパーフリング用の黒のセルロイド薄板で指板両サイドをガードしています。


ネックガイドにハメ込み、ヘッドとネックの切り出しをします。


ヘッドの切り出し。糸鋸で形を整えます。ヘッドとネックは3本分切り出し、一番形が綺麗に切れたものを選択。


 ヘッドとネックの接合部分に隙間が生まれないよう何度も仮合わせと調整研磨をします。ヒールの原型ブロックも圧着します。

中心線に従い本合わせ後、ヘッドと指板を接着。指板は14フレットジョイントの17フレット。

(2)ボデイ製作
ソプラノ用の曲げ型とマホガニーの板材。マホガニーは、新木場の「もくもく」で2mm厚に加工してもらったウクレレ用で、順目の音の良さそうなものを選択。

ベンデング・アイロンで側板(6.5mm幅で底を深く設定。)を水蒸気をマメに吹きかけて慎重に曲げていきます。


板が暖かい内に外型にハメ込み、さらに形を整えます。さらに、力木を前後に接着。

裏板接着部分に角度をつけるためヒール側を少し切ります。
これにより底が深いウクレレでも違和感なく抱えて弾くことも出来ますし、かつ音が大きいです。

ライナーは、Top側マホガニーとBack側ウオルナットを接着しています。ライナーをつけないと閉まりのない鳴っているだけの音になります。強度も不足してウクレレ耐震偽造マンションみたいになります。

裏板の接着。クランプ圧着することで全体で音が鳴ります。
ブレイジング(補強力木)は、良質のチーク材。

ピエゾ・マイク用ジャック穴を力木に開けていきます。

(3)ホールの縁取りのインレイ
サークルカッターでホール径の溝とインレイ径の溝等の切り込みを入れていきます。

ルーターでインレイの溝を仕上げます。ここは大変手の込んだ作業で半日ぐらい時間がかかります。

(4)ボデイ製作、トップ板のXブレイジング。

ボデイ内は薄くセラックニスで塗装します。これにより、音の跳ね返りが増える効果と、外気の湿度に影響されない効果が期待できます。高級ギターで採用されているXブレイジングを施すことにより、ウクレレ特有のブリッジ剥がれやトップ板の変形を防ぐことができます。
トップ板の接着。接着にはタイトボンドを使用。

(5)ボデイの仕上げ等
板厚の薄い指板を使用することにより軽量化を望めますが、そのままボデイに接着すると弦高が低く、弾く時に指がボデイに当たりやすいので接合部分に板を挟みます。
また、普通に板を挟むだけでなく、指板とボデイとの間の見えない所にわずかに空間をつけることで、ボデイの鳴りを妨げないように工夫しています。

後は、ブリッジ等を接着します。

映えたヘッドのインレイは、リーフ模様。羽にも見えます。

指板の12フレット目までを174mmに設定したのですが、ブリッジをつける際は12フレット目から174mmに3mmを足した所にブリッジを設定。しかもフレッタブルブリッジで各弦の弦長を調整できるようにします。ブリッジはハワイアン・コア製。マホガニーとの相性も良いです。

(6)指板、フレットの調整
仮弦を張った後で、試演奏し指板のフレットの高さを調整。

半塗装乾燥中。2日ぐらい待ちます。

(7)塗装割れ等の修正
冬の時期、自宅を離れると部屋の温度差が激しいため、下塗り剤と光沢塗料(クリヤー)の間に塗装割れが部分発生!!通常の温度ではほとんどありえないことなので、塗装をまるまる剥がして再塗装することに、これで10日間余計に製作期間が延びてしまいました。シンナーの匂いはあまり好きではないので、少し大変でした。寒いこの時期は下地剤(サンデイング シーラー)一つのみで丁寧に磨いて仕上げる方法が一番ですね。


初めは荒めの180番の紙やすりで手作業で塗装を剥がしていきます。さらに凸凹にならないよう、ディスク・サンダーをかけます。まさか、こんなに大掛かりな直しになるとは・・・・。塗装は、失敗すると大変です。

細かいめ(600番)の紙やすりで綺麗にヤスリがけ。

現在、再び塗装乾燥中です。なんと、これは、正月からやってる気がします。ウクレレ製作だけで生計を立ててる人は、どんなに大変なんだろうと思います。

(8)仕上げ、フレット再調整、完成
塗装乾燥後、レモンオイルとコンパウンドで磨きます。




ピエゾマイク付き、0フレット採用。弦はブラックナイロン、Low-G仕様。

塗装で手間取りましたが、本当にバランスのとてもいい音のウクレレに仕上がりました。

(更新日2006.1.15.)


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