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1996.11月号 PATI PATI

 

文−田家秀樹(マサムネ)、田村浩一郎(テツヤ)、小杉之子(崎ちゃん)、江頭優子(田村・全員)


草野マサムネ−

三輪テツヤ−

田村明浩−

崎山龍男−

 

続Sptiz go the end of INDIGO BLUE

インディゴ・ブルーの果てには何がある?

 

大地にスクと立ちあがり、しっかりと歩いていく。そんな姿が思い浮かびます。歩いていくうちには楽しいことも悲しいことも愉快なこともついらいこともあるでしょう。

だけれど、懐かしいあの場所へ向かって進んでいく力を、このアルバムがくれるような気がします。

またもや素晴らしいアルバムが完成しました。『インディゴ地平線』、10月23日にリリースされます。

 

ニュー・アルバム『インディゴ地平線』全貌初公開。

 

パーソナル・インタビューではレコーディングの話を中心に。4人に共通質問も用意しました。

『インディゴ地平線』のフレーズ、♪遠い記憶の場所へ、にちなんで、「あなたにとっての”記憶の場所”、または”幸せな記憶”はなんですか?」。さてどんなエピソードが登場しますか…

 

草野マサムネ

ちょっと力強い、それでいて広さを持ってて、今のスピッツの感じかなと

 

 ギリギリの進行。インタビューの前日になってもミックスダウンが終わっていなかった。まるでできたてのパンが焼き上がってすぐに店頭に並べられるように、作業が終わった順にスタジオから届けられてきた。通常のレコーディング・スケジュールからみると、綱渡りのような突貫行程。モチロン、メンバーはスタジオで同席している。徹夜明け。不眠不休の合間を縫ってのインタビューとなった。

 

--何だかすごいスケジュールみたいで。

 そう。昨日の出来事なのか、今日の出来事なのか、わからなくなってる毎日。(笑) お昼の3時くらいに帰って、夜まで寝るという感じで。ギリギリの進行になってるみたいで。作る側はあんまりそういうの意識しないんですけど、レコード会社は大変みた(笑)  

 

--なんでそうなっちゃったという感じなんですか。

 もともとタイトなスケジュールだったとは思うんですけど。いつもはその期間中は全部詰めてやってるんだけど、今年は夏のイベントをたくさんやろうということになったんで、スケジュールが飛び飛びになってたんですよ。で、スタジオに戻っても勘が戻らなくて、いいテイクが録れなくて。あと、ギターのテツヤが、一時期スランプになって、納得いくプレイができないということがあったりして 

 

--ギターは大活躍のアルバムじゃないですか。

 大活躍のアルバムだけに、責任を感じてたのかなと。アルバムとして、レコーディングを意識して始めたのが、6月くらい。アレンジとか曲作りとかは、4月後半からですか。結果的に、8月に入るころから調子が出てきた。みんな、スロースターターだったと。(笑)  

 

--4月後半。作り始めのときは、どういう状況だったんですか。

 ”カゲロウの集い”と並行してやってたんですけど、僕がたまったアイデアをデモテープに録ったのを、事務所とかスタジオとかに集まってプロデューサーの笹路さんと一緒に聴いたりして。これはやってみたいね、これは今イチだね、とか言わたりしながら(笑)  

 

--(笑) たまったアイデアってどういうのだったんですか?

 具体的には、今回の曲もデモテープ作ってみんなに聴いてもらった曲だし。前回はずれて今回出てきたというか、『ハチミツ』のときにみんなに聴かせたアイデアで、今回実を結んだのもあるし。…えっとね、毎回あるんですよ、前のアイデアが持ち越されたりっていうのは。これの中では「初恋クレイジー」が『ハチミツ』用にあったアイデアなんですけど 

 

--なんで落っこっちゃったの?

 どういうふうにリズムのアレンジをするかというのが決まらなくて、納得いかなかったんで 

 

--いろんな楽器入ってますもんね。

 そう、今までピアノが主役というような曲がなかったから、今回(「初恋クレイジー」)そういうのもいいかなと 

 

歌詞は大きい声で歌いながら作る

 

--その段階って、歌詞も全部あったりするんですか?

 詞はあったりなかったり。サビだけあるというのはけっこうあるんですけど。歌詞は細かいところ、譜割りとかこだわりがあるんで、家やスタジオで大きい声で歌いながら作るとか…最近はスタジオのブースとか、防音してあるところでテープ聴きながら大きい声で歌ってみて。すごくいい詞ができたと思っても、声に出して歌ってみると響きがよくなかったりというのがあるんです。それがすごい大事なんですよ。で、のばす音とか、「ここはアの音でのばしたい」とか出てきたりして。そういうの考えると、詞の意味も大事なんだけど、歌い放ったときの気持ちよさとかも大事で。あと、平気な人もいるんだけど、俺がどうしても許せないのが、「ん」の音を1音として数えること。「ん」やちっちゃい「っ」はひとつの音と考えずに作るようにしてるんです 

 

--”♪膨らんで割れそうさ”とか。「ハヤテ」にありましたけど。

 ♪ふくら〜んで…は「ら」と「で」の間にちっちゃく。そういうこだわりがあって、歌ってみないとわからないんです。バンドの中で歌う前に、自分で多きい声で歌ってみるということを、前回くらいから意識して。それまでは歌入れのときに歌ってみて、よくないな、というのはあったんだけど、スタジオに入って録る前に歌ってみるのをやるようになってから、詞を作り直すというのは少なくなってきた 

 

--ああ。活字の詩に近いといわれていた時期があったでしょう、最近はない?

 そうですね… 

 

--それは”歌の詞”になってるということなんですかね。

 それもあるし、昔、ポエトに近いと言われてたのには、言葉というのを意味よりも、単なる響きとか、おもしろさとか、組み合わせとか、部品みたいな感じで使ってったっていうのもあると思う。だけど最近はわりともう、説明的な歌もあるし。今回やった「ナナへの気持ち」とか、ストーリーを考えながらやってるのもあるんで、現代詩というよりは、歌詞になってきてるかなと。ま、もとから歌詞として作ってはいるんですけどね 

 

--ポップ・ミュージックのソングライターらしいという。

 うん。もともとそういうものを作ってると自分では思ってたので、詩人と言われてもピンと来なかったんだけど、最近は、そのへんは認識されてるのかなと 

 

アルバム5枚出したら解散すべき、と(笑)

 

--7枚目というそのサイクルはどうなんですか?

 ちょっと出しすぎかなと。(笑) デビューしてまだ5、6年しか経ってないですから。アマチュアのころは、ロックバンドなんてのはアルバム5枚出したら解散すべき、と思ってた(笑)  

 

--(笑)

 だいたい、ビッグなバンドってそうでしょう?ツェッペリンにしても、ピストルズなんて1枚しか出してないですから。だからそういうもんなのかなーと。キンクスはいいバンドだけどいっぱい出してる、というのもあるますけど。だからそう思ってたのが、7枚もアルバム出すとは。でも人の見てるとそうなんですけど、自分がなってみると、いまだにいちばん新しいアルバムが傑作だと思って出してるし、全然落ち着けない。落ち着いた姿勢で音楽はやれないなと。「貫禄が出てきた」と言われてもピンとこないですね 

 

--貫禄。(笑)

 貫禄と言うか、風格が。(笑) ピンとこなくて、相変わらず自分ではしょぼいことやってる意識で 

 

--でもそんなへたうまバンドみたいなのは、ほとんどないじゃないですか。

 そうですかね?自分が聴くときはちょっとへたうまくらいの人のほうが好きなんですけど(笑)  

 

--あの『ハチミツ』のプレッシャーをどう背負っていくかというのは、テーマにならなかったんですか?

 あ、『ハチミツ』の 

 

--思ったより売れすぎちゃったとか。そんな売れてない?(笑) もっと売れると思ってたとか。(笑)

 あんま売れ行きとかよく把握してなかったりして。ま、でも『ハチミツ』のときのほうが前のアルバムとのプレッシャーはあった。『空の飛び方』はスピッツの最高傑作だとメンバーは作ったときに思ってて、「これから先、いいのはできないよ」とか言って。それが『ハチミツ』に対してすごいプレッシャーになってたんだけど、今回はものすごく気楽に作れた。1曲目も遊びみたいに録れたし、とはいっても実は真面目にやってるんですけど(笑)  

 

--あえてビート・バンドみたいに。

 そう、そうやって遊び心を入れる余裕もあったりして 

 

--何やってもいいんだよ、僕らは、と。

 あえて聴き手をはぐらかすというのも、やり過ぎるとカッコ悪いし、全く同じものを提供することはできないし。それが今回は、4曲目ぐらいの流れで出せたかなというのがあったので 

 

--聴いてるうちにいろんな音が聞こえてくる、1回目、2回目には聞こえなかった音が3回目には聞こえてくるというような聴かれ方のアルバムなんじゃないですか。

 繰り返し聴いてもらえると、すごいうれしいですね。本当にすごい好きなアルバムって自分がそうだったんですけど、次はベース中心に聴いてみようとか、そういう感じだったんで 

 

--今回2曲、三輪さんと田村さんが曲を書いてますけど。

 毎回デモテープは新曲出しのプレゼンのとき、持ってきてもらってるんですよ。『空の飛び方』あたりから、みんなにMTR購入してもらって。で、スタジオで合わせるまでいった曲もあるんですけど、だいたいボツになっちゃって。今回はなかなか出来がよくて、しかも俺には作れないのが2曲あったんで、採用になって 

 

目覚めて思い出すとすごい懐かしい風景

 

--タイトル曲の「インディゴ地平線」というのは、場所があるわけでしょう?

 これも言葉の響きでつけちゃったんですけど、ずーっと歩いてもたどり着けないような、「チェリー」にもそういう歌詞あったけど、そういう場所かな。地平線というのが遠くにある場所、でしょう 

 

--インディゴ・ブルーって色もあるわけですもんね。

 うん、”インディゴ”という言葉の響きも不思議な感じで。これって何語なんだろうって 

 

--英語でもメキシカンに近い?

 向こうの先住民の? 

 

--あの”希望のクズ”というのはどういうニュアンスなんですか?(笑) いちいち聞いてますけど。(笑)

 これ見たとき、笹路さんもまたかと思ったと思うんですけど、だいたいこういう感じなんですね。クズとかゴミとかよく使うんですけど。結局「みんなにとってゴミとかクズみたいなものでも、自分にとってはかけがえのないものである」というシチュエーションが好きで、日常でも。ついつい使っちゃうんですけど 

 

--これをアルバムのタイトルにしようとしたというのは?

 んー、言葉の響きで選んじゃうんですけど。全体的なアルバムのイメージとしては、これまでは空を飛んだり、そういう浮遊したりというイメージだったんですけど、今回はわりと地面に足が着いているような曲が多いかなと。大地をイメージするような言葉、ということで、濁音が2コあってちょっとゴツい感じがいいかなと。ちょっと力強い、それでいて広さを持ってて、今のスピッツの感じなんじゃないかなと 

 

--「インディゴ地平線」の”記憶の場所”というのはどこなんですか?

 寝てて夢見るときに、昔どこかで見たような景色が出てきて、すごくそれはいいところで、懐かしくて。目が覚めたときに、あそこどこだっけなーって、また行きたいんだよなって。そういうところを指してるんですけど。昔見たんじゃないかなというような、すごいいいところ 

 

--夢ってカラーですか?

 夢全部カラーです 

 

--あー! 僕もカラーです。

 白黒の夢ってどういうものなのか、1回見てみたいんですけど。…最近疲れちゃってあんま夢見てないんですけど、バスに乗って旅行にいくというのを… 

 

--バスの中の夢?

 うん…すごい懐かしい感じの。夢って目覚めて思い出すと、すごい懐かしい風景に思えたりするのが多いんですよね 

 

--そこに帰れば詩が書ける、というような”原風景”みたいなものはあるんですか?

 曲によっても全然変わってきちゃいますけど…。自分が生まれ育った福岡の町であるとか、ばあちゃんちとか、半分田舎的な場所とか、あと海のある風景であるとか。…あと、小学校高学年から中学までけっこう冷戦で緊張してた時期で、モスクワオリンピックなんかで「今、核戦争が起こったらこうなる」とか、今より全然言われてたころがあって。ものすごく、俺は、怒りと同時に、それが怖かったというのがあったんです。そのときに頭の中で、「そういうのがない世界で、楽しい国がありましたとさ」というのを空想してたんです。その夢 (空想) の中に出てくる風景というのを、あのころ、すごい鮮明に思い浮かべていて。それが (今でも) よく頭の中に出てきて、その風景を歌ったりというのはよくあるんですけど 

 

 『インディゴ地平線』には、スピッツの新しい一面がたくさん折り込まれている。バンドとしての進境も著しい。それぞれの曲のどんな思いが込められているのか。そんな話は来月に続いていく。


 

小さなことに気づいたり感動できる人間になりたい

三輪テツヤ

10代のころの気持ちを取り戻せた気がしてて

 

--アルバムを聴かせてもらって、お世辞抜きで、スピッツの最高傑作じゃないかって気が、僕はしたんですけど。

 うん、僕ら自身もそう感じていて。毎回アルバムを作っていて、「次の作品はどうなるんだろう?」って不安を感じてはいるけど、本当、前作以上のものができて。音もすごくいい感じで録れたし 

 

--レコーディング自体も、かなりいい感じで進んだんですか?

 いや、今回は僕が朝型っていうか、前回のツアーが終わってから、”朝早く起きて、夜早く寝る”っていう生活パターンになっちゃってて 

 

--健全なライフ・スタイル?

 うん。(笑) 夜にすごい弱くなっちゃって。12時すぎると眠くなったり、集中力が欠けたり…。レコーディングって、昼ごろ始まって、翌日の朝方まで作業するってパターンじゃないですか。だから慣れるまでがすごく辛くて。あと、ちょっとスランプに落ちてたんですよ 

 

--それはバンド全体が? それとも三輪さん個人が?

 僕が落ちてた。まして今回は、ストリングスや管楽器の音が入ってるのって「チェリー」1曲ぐらいで、他はギターがすごく多いから、すごく大変だった。レコーディング自体もすごく時間がかかったし 

 

--そのスランプって、演奏に気持ちが入らないっていうような、精神的な問題だったんですか?

 いや、単純に全然ギターが弾けなかったんですよ。笹路さん (プロデューサー) と家が近いんで、最近はその日の作業が終わってから僕んちまで、車に乗っけてってもらうことが多くて。その中でいろいろ話したんだけど…よくプロ野球の選手で、去年は調子がよかったのに今年はフォームを崩して調子が上がらないって人がいるじゃないですか。それと同じことが僕の中にも起きちゃって。長いツアーや、その間にも忙しかったことで、ある意味怠けてた部分が出てきちゃったんだと思うんですよね 

 

--ツアー中に、自分にとって楽な弾き方ばっかり身につけちゃったっていう?

 そうそう。あと、ライブの難しさのひとつに、音楽を聴いてもらうっていう部分以上に、見せるものだっていうのがあって。もちろん聴かせることも大切なんだけど、スピッツのポリシーとして、動いてる僕たちを見せることも大事にしたくて。それを気にしすぎてたことの反動が出ちゃったのかなって 

 

--でも逆に言えば、そうやってジタバタしたのが結果としてはいい作品を生みだしたのかもしれないですよね。

 だと思う。でもレコーディング始まって最初の1ヵ月ぐらいは、ほんとブルーだった。(笑) 「なんとかしなくちゃ」と思いながら、家でひとりでギターの基礎練習をシコシコやったり。ただ、今までスピッツのだどってきた道を振り返ってみると、カベにぶち当たったときに好結果が出ることが多かったし…最近つくづく感じるんだけど、一勝懸命作業して作品ができた瞬間に、まわりの目を気にせず涙を流せるのって10代で終わっちゃったなって。やっぱりさ、20歳越えるとまわりを気にしたりとか、ストレートに自分の気持ちを出せる場面が少なくなってきて。でもこのアルバムを作れたことで、また10代のころの気持ちを取り戻すことができた気がしてて。アルバムが完成した瞬間、レコーディング中のいい思い出も、悪い思い出も頭に浮かんできたし 

 

--ただ、20歳越えると、失う代わりに身につけるものも多いし。どっちがいいとは決められない部分もあると思うけど。

 うん、その人なりの受け止め方があるから、確かに決められないと思う。でも僕の場合は、身につける知恵っていうのがズルい方向に行きがちなんですよ。だから、カベに何度もぶち当たりながら作品を作ったほうが、いいものができると思うし。自分自身がズルい人間にならないためにも必要なことだなって思ってて 

 

--どんな瞬間に「ズルしてる」って、いちばん感じます?

 やっぱ、「俺、楽してるな」って思う瞬間。もっとできるはずなのに、どこかで楽をしようとして力を抜いてる。そういう自分を感じるときがいちばんイヤだな 

 

いろいろ悩むのが三輪テツヤって人間なんだ

 

--最初に聴いたとき感じたんだけど、今までのスピッツの曲を鼻唄で歌うときって、メロディや詞だけが浮かぶことが多かったんですよ。でも、このアルバムの曲は、メロディもドラムもベースもギターの音も、全部頭に浮かんできて。そこが今までとのいちばんの違いだなって。

 そう感じてくれたらすごくうれしい。今までもそれを目指してたんだけど、このアルバムでやっと形にすることができて。だから、「やっとここまで来れたか」っていう感じですよね、今は(笑)  

 

--ここまでの道のりは長かった?

 結果論だから、はっきりとは言えないんだけど、決して短くも長くもなかったし。でも最初から、スピッツは速く受け入れられたり、すぐに結果を出すようなバンドじゃないと、スタッフもメンバーも思ってたし。だから4人で悩んだり、つまづいたりしながら今ここに来られて…”なるべくしてこうなった”とも言えるかもしれないな 

 

--でも、三輪さんがメンバーの中でいちばん考えすぎちゃうタイプのような気がしてるんだけど、僕は。

 そうですね。見た目とは違うタイプだなと思う。でも、最近はそういう自分も受け入れるようにしてて。「変わりたい」って思った時期もあったけど、変われなかったから。それに自分では「考えすぎてイヤだな」ってマイナス面に思ってても、今までこの性格でスピッツのみんなとうまくやってこれたんだから、プラスの部分があるのかもしれないし。だから「いろいろ悩むのが三輪テツヤって人間なんだ」って、思えるようになりたい。「生きてりゃ何かカベにぶつかるけど、そのときにちゃんと対処できればいいじゃん」って言えるようにね 

 

--わがままだけど、こういうアルバム聴くと、「スランプやカベにぶち当たったほうがいい作品できるんじゃないか」って思ったりもするんだけど。(笑)

 期待してもらわなくても、絶対また何かカベに当たる。(笑) でも、それは覚悟してるし。実際、去年のツアー中も、年末くらいはかなり落ち込んでたし 

 

--ツアーが刺激的でなくなったから?

 いや、逆で。うまくは言えないんだけど、ステージに立ってるときだけが楽しくて、それ以外の生活がおもしろくなくなっちゃってて。だから全国旅してても楽しくないし、ホテルでもベッドで寝られなかったり。でも、お客さんの顔見たり、ファンの人からの手紙を読んだりして、少しずつ前向きになれて 

 

--普段と違う環境におかれると、とまどうほう?

 でも、適応するのは速い。だからある意味、嘘つきな人間なんじゃないかな?自分の弱さをまわりに知られるのもイヤだし。あと、僕ずっと転校生だったんですよ。小学校4回くらい変わって。それが今の自分にすごい影響してると思う 

 

--転校してさみしいけど、”さみしい”と持ってるだけじゃ何も変わらないから、自分から前向きに考えていこうっていう?

 そうそう 

 

--だけど、前向きな気持ちで人と接しようとしてるのに裏切られたときって、痛みも大きくなると思うんだけど。

 今考えると、人に裏切られた記憶ってなくて。裏切られたこともあるんだろうけど…性格的に自分のせいにしちゃうんだよね。「悪いとこあったのかな?」って他人の責任じゃなくて、自分の責任に感じて。だから小学校のころはすごくちっちゃなことで落ち込んで、ちっちゃなことで自分を奮い立たせたりしててね 

 

--でも、実は人間ってだれしも、ちっちゃなきっかけで心を動かされることのほうが多い気がするんですよね

 だと思う。だから最近は小さなことに気づいたり感動できる人間になりたいと思って。すごい単純だけど、今は寝るときすごい幸せな気分になれて。(笑) ベッド入って「あ〜っ」って伸びするでしょ?あの瞬間にいちばん幸せを感じるな 

 

--小さなところに自分だけの幸せを見つけ出すことって、とても大事だと思う。

 うん。それを幸せだと思える自分もいいなと思えるしね。生きてる自分を実感できるし。あと、なかなかできないんだけど、他人を疑ったりせず心を開けるようになりたい。だからスマイルっていうのが、僕の最近のポイント。ウルフルズのケイスケさんとか見てると、まわりの人間もとっても幸せになれるじゃない?自分もああなれたらなった憧れるんだけど…難しいんだよね、すごく(笑)  


  

俺たちこんなに楽しんでいるよーって(笑)

崎山龍男

 

 今年の夏はやたらとスピッツと縁のある夏だった。マサムネくんとエレファントカシマシの宮本くんとの対談以外、特別大きな仕事はしていないというのに、やたらといろいろな場で遭遇し、メンバーと他愛ない会話を交

わしていた。正直な話、私がスピッツの作品について文章を書くのはこれが初めてのことになる。

 

思ってることをスムーズに表現することができた

 

 今まで以上に勉強になったレコーディングでしたね。俺ってかなり不器用で、前回のときもそうだったんだけど、そこがずーっと引っかかってたんです。今イチ抜けきれないというか。でも今回のアルバム作りでは、音作りとかアレンジとか、自分の思っていることをずっとスムーズに表現することができた。やっぱり今までは「まず何よりも歌をたてよう」という意識が強すぎたんでしょうね。自分のドラムと歌がぶつかってしまうことを極力避けていた、みたいに。でも今回、改めてドラムの役割っていうのに立ち返ってみて、それじゃおもしろくないな、と。たとえば、ここでは歌が飛び出してきているけれど、あえてオカズを入れてやり合ってみようかな、とか、そういう発送がどんどん出てきたんですよね。もちろん全部が全部じゃないけれど 

 

 『インディゴ地平線』の制作作業で、崎山くんは、自分のドラム・プレイに悩む以上に、自分のスタンスについて考えていたという。その結果、あるところでは歌にうまくからみ合い、あるところでは歌を突き放す、波のあるリズムが録れた。そしてこの緩急が、スピッツの作品の中で新しいうねりを創り出す。とてもストレートだけれど、力の抜け具合が気持ちいい。これもやっぱり自分に対して”自信”を持ったからだろうか?

 いや、そんなおこがましいものじゃないですよ。(笑) でもね。これだけは言えるんじゃないかな。以前だったら絶対、歌と対峙するなんて考えられなかった。体に合わないっていうか(笑)、拒絶反応みたいなものがどこかにあったと思う 

 

 このアルバムをどんなものにしていこうかという、メンバー同士の話し合いは6月ごろから少しずつ出ていたそうだ。ポイントは、「ガッチリ作る部分はカッチリ作って、でももう少しくだけた部分、遊びを入れたものにしたいね」。

 それまでは曲を伝えよう、という意識が先に立っちゃっていたから。余裕がなかった。でもメンバーはみんなちゃんと遊びの要素は持ってるでしょ?それをうまく作品の中に出していきたかったんです。俺たち、こんなに楽しんでいるよー、っていう気持ちとか(笑)  

 

 まず最初に曲出し。それぞれが作ってきたデモテープが事務所の会議室に集められ、試聴会。

 あのね、マサムネのデモテープはおもしろいですよ。あいつデモテープになると、バリバリギターソロ入れてくるんですよ。(笑) それがすごい楽しいんだっていうのがわかるんです。今回からベースも田村に借りて、自分で弾いていたし。こういう作業が好きなんでしょう、きっと。一応、俺らも2曲持っていったんですよ、鼻唄から作った曲を。(笑) でもちゃんとMTRで録音して。楽器のところを録ってるぶんにはいいんですよ。いろんな楽器を演奏するのって楽しいし。でも仮歌を入れるのが恥ずかしくて。夜中にマイクを持って小さな声で歌っていると、「何してるんだろ、俺」っていう気持ちになってくる(笑)  

 

 曲を選び出したあとは、リハーサルによって、1曲1曲煮詰めていく。最初はメンバー4人がスタジオに。アレンジを一緒にやっている笹路さんは、スタジオ外にあるゲームで遊ぶ。そして飽きたころに顔を出すというパターンだった。もちろんこのときには、まだほとんどの曲に歌詞がついていない。ということですべての曲に仮タイトルがついている。

 詞ができあがるまで時間がかかっちゃった曲は、その間ずっと仮タイトルで呼んでいるじゃないですか。そうするとそっちに慣れちゃって、正式タイトルで言われてもピンと来なかったりして、困っちゃうんですよね。一回、自分の中で変換しないといけない。またマサムネのつける名前ってインパクトあるんですよ。今回でいうと、たとえば「夕日が笑う、君も笑う」は、「ミンソタ野郎」。(笑) あと「ハヤテ」、これ自体すごいタイトルですけど(笑)、これは「ロイホ」だった。「初恋クレイジー」は「バナテン」。あいつがタイへ行ったとき、バナナの天ぷらがあったらしくて、そこからとったらしい。すごいセンスですよね。でも仮タイトルがそのまま正式タイトルになったこともあって。「ロビンソン」なんかまさにそう。危ないところでしたよ、もう少しで「バナテン」になるところだった(笑)  

 

ある程度は言葉を交わさなくても想像できる

 

 予想に反して、スピッツのレコーディングはとっても明るい雰囲気で進められていくらしい。

 雰囲気、いいっすよ。前回の『ハチミツ』のレコーディングのときはね、キーワードを決めて、それを言ったら1回10円罰金、なんてことやってたし。作っているときって、すごく会話するじゃないですか。で、あるときから”いや”って言ったら10円になった。テツヤがペットボトルと紙コップ使って貯金箱作ってね。でもみんなレコーディングに集中してるから、ついつい言っちゃうんですよ。(笑) ”いやいや”では20円。結局1万5000円くらいたまったのかな。貯金箱、すごく重かったもん。(笑) この後遺症があって、取材やラジオ収録のときに、相手が”いや”っていうと心の中で「10円だ」ってカウントしてたりして(笑)  

 

 ドラムの音色は曲に合わせて全部変えた。チューニングや音決めには時間がかかったけど、今回崎山くんが頼りにしていたのは大倉くんというスタッフ。

 もともと『ハチミツ』のときにドラム・チューニングを手伝ってもらっていた人なんですけど、今はなぜか事務所のスタッフになっているという。(笑) 彼だとすごくやりやすいんです。お互いのクセもわかっているし、一緒にやっていくっていう感じがしてるし。でも今回発覚したのは、アイツと俺では叩き方が正反対なんで、アイツが出した音はあまり参考にならないんです(笑)  

 

 「ほうき星」は前準備全くなし、その場の雰囲気と勢いだけでリズム・パターンを決めた。シングル曲としてひと足先に世の中に出ていった「チェリー」は一から組み立て直し、そこからさらにもう一度、すべてをナシにして作り変えられた。空気感をそのまま真空パックにしたくて、ベーシック録りのときにはわざとお互いのマイクがみんなの音を拾うようにしていた「花泥棒」。その楽しげな様子がちゃんと伝わってくる。もちろんリズム録りのときもまだ詞はできあがっていない。どうやってその曲の詞の世界と楽曲が融合されていくんだろうか。

 マサムネもあまり詞については話さないんですけど、ときどき、「海みたいな感じ」だとか、「大きい感じ」とか、そのくらいで。(笑) やっぱり俺ら、バンド長いですからね、ある程度は言葉を交わさなくても想像できちゃうところもあるし。とはいえ、詞がついてびっくりすることもありますよ。「マフラーマン」の詞を初めて見たときは、「この曲にマフラーマンという言葉を使うか!?」って。(笑) やっぱりね、歌が入ると、曲自体がガーンと変わりますね。たとえば演奏の細かな良し悪しとか、どこかに吹き飛んじゃうくらいの世界に入り込んじゃいますね。本当に毎回、新鮮に詞とは直面しています。歌詞に関してはマサムネの世界ですから。アイツも「自分以外の人が作った曲は歌えるけど、詞は自分のものしか歌えない」って言ってますから。俺はそんなマサムネの世界を尊敬しているし。だから改めて、今回も冴えているなっていう感じですよ。なんかいいなって 

 

 最近、犬を飼い始めたという崎山くん。キナコと名づけられた彼女は、レコーディングで遅くに帰ってくる彼を、毎晩じーっと待っているそうだ。そんなキナコが自分の膝の上で眠りこけている、その寝顔をビール片手に見ていると、「幸せな気持ちってこういうものなのかな」と思ってしまうんだ、彼は笑う。

 スピッツの音楽にはいつも一滴の涙が溶け込んでいるように私は感じる。それは喜びの涙であったり、深い悲しみの涙であったり、やりきれない切なさの涙であったり。その涙を感じさせながら私の中に入り込んでくる彼らの音楽は、いつの間にか自分の中で溶けだして、私に同化していく。

 今回もまた、”12の涙”に出会うことができた。そうして私は私になっていく。こういう音楽って、本当に何にも代えがたいものなんだ、ね。


 

これだあって。自分でも二度とコピーできない感覚が

田村明浩

 

 相変わらず田村くんは人をなごませる雰囲気を漂わせていました。そして、お茶を飲みつつまるで世間話をするようにして始まったインタビュー。いつもより少し伸びている髪の毛が、長いレコーディング期間を物語って

いるようでした。

 

楽チン、楽チン。(笑) リズム隊は調子こいてた

 

--やっと完成した感じですか?

 長かったからね 

 

--資料を見ると、去年の11月から、となっていますが。

 11月は「チェリー」と「バニーガール」を録ったから。で、間があいて、5月に3曲リズムだけ録って、次は6月って感じでけっこうコマ切れで。頭の中ごちゃごちゃになってた。でもやっちゃったことは仕方ない的なノリがあったから。(笑) それはよかったと思う。リズムはレコーディング期間が長くてもパッと最初のうちに録っちゃうから、6月の初めぐらいにはほとんど終わってたんだけどね 

 

--苦しかった?

 全然。楽しかった。楽チン、楽チン。(笑) リズム隊は調子こいてたから 

 

--その余裕はどこから?

 楽しもうっていう意識があったもん。最近はずっと、そういう意識を持ってやってたんだけど、今回は特に、すごく力が抜けてできた。テツヤとかは見てると、今の状況に対してプレッシャーを感じてるようで大変そうだなって思ったんだけど。俺や崎ちゃんは、逆にそのプレッシャーを楽しんじゃったから 

 

--その違いはどうしてでしょうね。

 性格だね。テツヤは細かいところまできっちりしてて、俺は…(笑)  

 

--楽しめるってことは、自信の表れでもあるってことでしょう?

 自信も前に比べたら出てきたけど。まあ、こういう状況だからね。作品を世の中に出したら、ある程度の数の人に聴いてもらえるし 

 

--以前よりも反応がある、と。

 うん。反応があるんだったら、自分たちも楽しんでるのを聴いてもらったほうが楽しいじゃん 

 

--田村くんが作った曲も、アルバムに初めて収録されますね。

 昨日、トラックダウンが終わって、めでたく完成しました。以前からテツヤは作ってて何曲かアルバムに入ってるのもあるんだけど、特に前のアルバムから、草野だけじゃなくて、もっと積極的にみんな曲を作ろうってことになってね。『ハチミツ』でも何曲か作ったんだ、実は。そうすることによって、草野の作る曲のよさもわかるし、草野自身も刺激に…そんな大した刺激になるかはわからないけどね…それ以上に楽しめちゃう部分があるから。俺らの作った曲を聴いて。そうやってお互いに高められていけばいいかなって思う。それくらいの意味で。だからあんまり深い意味はないんだ 

 

--三輪さんのはなんとなく、やっぱりマサムネくんのとは違うな、なんて思って聴いていたのですが、田村くんのは…。

 え、全然違うつもりで作ったんだよ 

 

--すごいスピッツ、って思った。(笑)

 デモテープの段階では全然違ったのになぁ。この曲はギターとかダビングしていくうちにすごくよくなっていったの。俺とかテツヤの曲っていうのはある意味遊びだからさ。(笑) 背負うものもないからね。草野の曲はある程度、今までの積み重ねがあるけど、俺らのにはないもん。この2曲はレコーディング楽しかったよ 

 

--「花泥棒」なんか特に?

 そうそう。録り直しなしだもん。一発録り。アンプを外に出してて、マイクを2本立てて、せえのっで。(笑) 間違えたらダメってやつ。全部で3回ぐらいやったかな。こういう曲は何回もやっちゃダメだろうって。で、3回目がいちばんつまらなかった(笑)  

 

--いちばん思い入れがあるとか、この曲は好きだなぁと思うのはどれですか?

 「インディゴ地平線」かな。やっててこれだぁって思ったから。今までベース録りが終わった瞬間に、自分で今何やったんだろうって思ったのは「迷子の兵隊」だけだったのね。もう二度とできない、自分でもコピーできないやって。それと同じ感覚があったから。…でもそうやって録ったあとで、もう一度やり直したんだ。アンプのセッティングが前に録った曲のままになってて気づかないでいて。弾きながらなんかこりゃ違う…あ、直すの忘れてた。(笑) でも録り直したらもっとうまくいったから、よかった。アルバム全体を通して、ちょっとマニアックすぎるかなって思ったけど、どう? 

 

--何も考えないでさらっと聴いただけだから…。スピッツって、そうそうこういう感じだよね、って思う人がたくさんいるだろうなとは思ったんだけど。

 ポップな曲がないとか、みんなで言ってたんだけど 

 

--そうかなぁ。

 俺らの中ではすごくサイケなの。「ほうき星」とかはサイケで当たり前な曲だけど、そうじゃない「ハヤテ」とか「ナナへの気持ち」とかそういう曲に、俺は弾いててサイケを感じた。曲調はストレートなんだけど、ねじまがってるっていうか。ま、サイケってなんだろう、って自分でも思うけど(笑)  

 

--そういえば、「渚」のプロモーション・ビデオにピエロが出てくるでしょ?

 俺じゃないからねっ 

 

--最初てっきり田村くんかと…。ちょっと芸風が違う、とか思った。(笑)

 なんだか女の子によく言われるんだよね。これで5人目ぐらい。どうしてだろう…。あ、でもそういうことにしておいてもいいよ(笑)  

 

--「渚」のサビの部分を思い出そうとしてもイントロのベースラインしか思い出せなくて。かなり印象的だな、と。

 大変だったんだよ、これ。草野が曲を持ってくるときは、あいつベース持ってないから、ベースだけ抜いてデモテープを作ってくることが多いんだけど、「渚」はデモテープの段階で、もうキーボードのピコピコっていうのとか、ドラム・パターンとかが完成してた。で、いつもの通りベースは入ってなくて。しかもベースが入ってない楽曲のよさ、みたいなのが出てたからさ。どうしよう、入るとしてもイントロしかないな。Aメロ、Bメロも最初はいらないし…って思って。だからその部分には入ってないんだ。本当に迷ったから笹路さんにどうしようって相談したら、笹路さんも迷ってて、ふたりでずいぶん考えた。そういう意味では「渚」がいちばん苦労してるなぁ 

 

--7枚目ともなると、活動のパターンとして、アルバム制作が季節もの的な側面も持ってきませんか?

 あまりにも夏前からレコーディングで、終わったらツアー、っていうのはイヤなのね。でもそういうパターンになっちゃってるし。次からは変えたいなっていうメンバーの意識はある…と思う。それにしても俺らペース速い。コンスタントに出してて、偉いよね。(笑) リリースの間隔が1年しかあかないもん。最近いちばん怖いのは、音楽をやってることがあまりにも日常的になりすぎてるから、もっと楽しい瞬間があったのにな、とふと思ったりすること。同時にこういう考えは危険だなって… 

 

--そう思ったこともあるの?

 うん 

 

--それはレコーディングのときに?

 うん。それは特に自分が録り終わったあとで。(笑) でもまだ、音を出してるときに感じることはないから。今回のレコーディングが終わって思ったのは、次はもっと時間的に余裕を持ってレコーディングだけに集中したいってこと。そうすればもっと楽しめるから。それに、そうすればもっとこのインタビューだって、深くたくさん答えられるし。今回のことを話すのは本当に難しいんだよね。忘れちゃってるから。あんまり連続してる感覚がないし。草野はそうは言わないだろうけどね。歌入れは連続してるから。でも俺は、もっと連続性を持たせて集中してやりたいと思う 

 

--ところで田村くんの”幸せの記憶の場所”というのはどんなものですか?

 これは作ったような、お涙ちょうだい的な話なんだけどさ。幼稚園ぐらいのときにおばあちゃんと歯医者に通ってたの。ある日、その帰りに映画を見に行く約束をしてたのに、診察の時間が長引いて、もう夕方で。田舎の映画館だったから終わっててさ。入口のところで「見たかったな」とか言ってたら、そこに人が特別に上映してくれるって言ってくれて、ふたりっきりで「仮面ライダーショウ」を見た。すごいうれしって思った。きっと小さい映画館だったからだろうと思うんだけど、当時としては、こんなデカイが面をふたりきりなんて、って幸せな気分だった。…ちょっといい話でしょ?(笑)  


 

スピッツの騒がしい未来

 

アルバム発売と同時にツアーに出発するスピッツ。その数70本! メンバーは

きっとすんごく大変だろうけど、本当に私たち、心から楽しみにしています♥ ここでは

レコーディング中の流行りをはじめ、4人の近況、ツアーへの心意気を聞いてみました。

 

ライブの緊張は、毎日入社試験受けてるような(笑)

 

 この取材の時点では、新しいアルバムは完全にできあがっていませんでした。つまり、本文にも出てきますが、昼夜逆転現象の最終段階にスピッツのメンバーはいたわけで、このインタビューは、”近況=レコーディング”という、わかりきった構図にはまりこんでしまうのではないかという不安を抱えたものだったのです。

 しかし。本人たちは相当味わったはずの、産みの苦しみを感じさせないこれらレコーディング中のエピソードは、かえって、新しいアルバムがどんなものなのかを想像する手助けになりそうです。

 

--アルバムの話ではなく、スピッツの近況報告を。

 近況の夏。日本の夏。(笑)  

 キンキョーの…あ、遅れた 

 アルバム・レコーディング中です 

 

--もうそろそろ終わるとか。

 うん、昼と夜がぐちゃぐちゃ 

 

--大変だったみたいですね。

 でもいいものができてるから、大丈夫です 

 だから頑張れるね。とりあえず1日が長くて、1週間が短い 

 曜日の感覚がなくなってる。1日を普通に過ごすと24時間単位で切り替わっていくじゃん。そういう単位がなくなってる。ひとまず寝たら1日が終わるって感じ。よく考えたら、3日に2日しか経ってないや、とか 

 すごいハンパな37時間単位とか、そういう。(笑) 足して何日にならない。奇数で動いてる感じ 

 だから、1日は長いのに、1週間は短いんだな 

 

--レコーディング期間中に流行ったものは何かありましたか?

 「バーチャファイターII」 

 俺、あんまりやってない。俺以外のメンバーとスタッフ 

 他には、田村以外のメンバーとスタッフで野球。スタジオ内にホームベースとか置いてやってた 

 もちろんゴムボールで、だよ。明け方4時ぐらいから試合が始まって、3試合ぐらいやる。延長21回のすごくいい試合もあった 

 延長21回ってどういうこと?ずっと点が入らなかったとは? 

 ずっと同点だった 

 俺はその試合参加してないんだ 

 あれはキツかった。メンバーはもちろん、笹路さんもやるし。だいたい始まるのが明け方なのに、笹路さんがいちばん元気。いちばんフットワークが軽い 

 今回、待ち時間が長くて、そうやって何かしてないとダメって感じだった 

 俺は、原稿書きとかがあるときは参加しなかったけど、歌詞作ってて煮つまると、急遽入団してた。(笑)  

 歌詞を作ってる草野が今イチのってないなってときに、そのときは野球やってなかったんだけど、笹路さんが、「マサムネ、1試合するぞ」って誘って(笑)、歌詞作りを中断させてた。プロデューサーとての配慮が見えて楽しかった 

 

--ポジションが決まっていて?

 ううん。決まってない 

 そのとき守りたいところ 

 ホームベースは一応あるけど、1塁から3塁まではないんだよ 

 独自のルールがあって、壁のあそこに当たったら2塁打とか決めてある 

 スピッツ・ルールがあるわけよ。だから1回ごとにピッチャーが交代していくやり方が多かったし 

 何人でやるの?俺一度もちゃんと見たことないんだけど 

 だいたい、4対4とか5対5とか。少なくて2対2でやったこともあった 

 チームとしては、テツヤ'Sと大倉'S (サブマネージャーの大倉さん) があって、テツヤ'Sは負け知らずだった 

 ここ3週間ぐらいはそれがいちばん盛り上がった出来事かな 

 田村と崎ちゃんはけっこう調子よくパッと終わっちゃったけど、俺とかすごい苦労したし、マサムネも詞で苦労した曲もあるから…最後まで4人が揃うのはなかなかなかったんだよ。それまではあんまりなかったよね、盛り上がることって。最後の大詰めに来てやっと、バーチャファイターと野球って感じ 

 

いちばん盛り上がってたのはレコーディング

 

 エレファントカシマシの新しいアルバムは盛り上がった。もとからエレカシは好きで、ちょうどメンバーもライブを見に行ったりしてたし。俺は行けなかったんだけど 

 マサムネは歌入れでね。ユーミンも行ったよ、ユーミン 

 俺も。ユーミンよかった。エレカシも昔からずっと応援していただけに。これからまた、ますますカッコよくなりそう、って思う 

 俺、初めて宮本くんに会ったもん。名古屋のイベントで 

 

--初めて?スピッツもエレカシもずいぶん前から活動してる気がするけど。

 マサムネと宮本くんは対談したことがあるけど、俺らは初めてだったのよ 

 宮本くんはプロモーションやキャンペーンをしたことなかったんだって。で、ミュージシャンと話したこともほとんどなかったって言ってた 

 俺、思わず立ち上がって挨拶しちゃった。崎ちゃんも。(笑) この横柄な俺が、だよ。いい人?俺。(笑) 

 でもいちばん盛り上がってたのはレコーディングだよね 

 神経集中してたよ、本当に。ドラムもベースもギターもすごくいい音で録れたから、それだけでかなり盛り上がった部分はあった。毎回毎回、録れたのがどれもよくって、だから完全にできあがってくるのが楽しみ 

 「花泥棒」のときは盛り上がったね。メンバーの曲が2曲あるってところがミソかな 

 俺らの曲は遊び道具だから。(笑)  

 

--田村くんの曲もいいですね。

 すごいよ、あれは 

 でも、さっき (パーソナル・インタビューのときに) 草野の作る曲に似てるって言われたんだよね、全然違うのに 

 それはね、メロディーとかを俺が歌いやすいように変えちゃったから。そういうところで似てきちゃうんじゃない?どんな曲もそうなんだけど。だから俺が歌えば、俺が作った歌みたいになっちゃうんだよ、きっと 

 元歌は、すごいから。(笑) 

 

崎ちゃんの家、ムツゴロウ化させてやる(笑)

 

(ここで崎山さんが遅れて登場)

 崎ちゃんがいちばん近況報告があると思うよ 

 イヌ、イヌ 

 

--イヌ飼ったんですか?

 うん。(←にこにこ) ゴールデンレトリバー。最近流行ってるやつ。まだ2ヵ月半ぐらいで 

 これで芸能人の仲間入りだ 

 崎ちゃんはウサギも飼ってるから。今度俺は、動物を飼ったら小さいうちはかわいがって、大きくなったら崎ちゃんの家に放してやろうかと思って。ムツゴロウ化させてやる。しかも崎ちゃんには何も話さずに、そっと。(笑)  

 ワニとか。(笑) 動物病院行って、名前登録してもらった? 

 うん。崎山きなこ 

 

--きなこ?

 きなこ餅とかのきなこ。色が似てるから。(笑)  

 崎ちゃん犬と遊ぶんでしょ?

 夜中とか明け方に帰って、遊ぼうと思って寝てるのに起こす。(笑) で、ちょっとは遊ぶんだけど、すぐ、眠いのにって態度になる 

 俺も小学校6年のときに弟が生まれて、遊ぼうと思って寝てるとことを起こしたら、母親にすごい怒られた。(笑)  

 フリスビードッグにしたいんだけど、練習できるほどの公園が家の近所にはないんだよな 

 もしかして崎ちゃん、ゴールデンレトリバーを車に乗せて… 

 窓から顔を出させて? 

 カッコいいなぁ 

 奥多摩とかでバーベキューやってる横にイヌがいるとか。なんかハイソサエティーな世界だ 

 でも朝起きて、部屋に落ちてるウンコ拾ったりするのがね…(笑)  

 

--室内放し飼いなんですか?

 寝るときはゲージに入れるけど。ウンコとかオシッコとかまだちゃんとどこでするのか覚えてないから。いろんなところでやり放題。忙しくて自分はエサ食わなくても、イヌには忘れずやってくるからね 

 いいなぁ。俺も何か飼いたくなっちゃう。ハトとか(笑)  

 伝書鳩?あれはかなりお金かかるらしいよ 

 うちの近所に、2階部分がハト小屋の家がある。ベランダから双眼鏡で空を見てたら、やけにハトがたくさんいるから、なんだろうって思ってそこの家を見たら、ハトを 発見した。普通の家なのにさ、2階部分全部ハト小屋なんだよ? 

 そういえば、昔、東横線に乗って中目黒のちょっと手前ぐらいで、屋上にロバがいる家ってなかったっけ? 

 それヘーベルハウスじゃないの 

 

--それはゾウでしょ?(笑)

 屋上にウマかロバかヤギか分からないけど、生き物がいてさ、いつもあれなんだろう、って思ってたんだけど 

 あと、ハトの家の他に、一軒家で、ヨガ道場とそろばん塾をいっしょにやってるところも見つけた。あれもけっこうナゾだな 

 

本格的冷しうどんを食べるのに凝ってた

 

 レコーディングしてると変な時間に家に帰るでしょ。お店も閉まったあとで、ちょっと小腹が減ったし、どうしようかなって思って。で、うどんとかそばをいろいろ揃えて買い置きをしておいて。薬味もショウガをおろしたり、ネギ刻んで冷凍したりして、本格的に冷しうどんやざるそばを食べる、っていうのに、この夏は凝ってた。ゆで時間もばっちり計ってアルデンテにゆでて。水切りも手際よく 

 

--自分で作るのは面倒ではないですか。

 本当は好きなんだ。でもちゃんと作るのって、男がやるとなんだか時間がかかっちゃうもんなんだよね。手際が悪いせいもあるんだろうけど。最近はそこまで時間もかけられないから、何か作ろうと思ってもなかなかできなくて。その点、うどんは手早くできて、うまいし。メーカーごとに食べ比べてみたり。うむ、コシが弱いな、とかさ。(笑)  

 来年の今ごろ、うどんとかそばとか打ってたら怖いよね 

 レコーディングが終わった明け方から始める。で、道から見えるようにガラス張りにしてある部屋を作ってさ 

 粉や水にもこだわる。(笑)  

 ライブ会場で草野マサムネ特製そばを売るってのどう? 

 俺、一度、そば打ってみようかなって本気で思ったことあるよ 

 崎ちゃんはやりそうだな 

 そば打ちセットみたいのを打ってるらしいんだよね 

 師匠について勉強するか。(笑) 

 

ニセスピッツが出る日もあるから注意して(笑)

 

--そろそろツアーも始まるそうですね。

 レコーディングが終わったらすぐツアーのリハーサル 

 だからライブに関しても、もう動きだしてはいるけど、ただあんまり形にはなってない 

 

--かなり長い期間のツアーになるとか。

 うん… 

 どこか見に来る? 

 

--もちろん。

 ニセスピッツが出る日もあるから注意してね。(笑) 5回に1回ぐらいは、本物がやるけど 

 よく考えて途中で飽きないようにしなくちゃね 

 70本近くやるんだもん。秋から春まで。半年くらい 

 

--終わったらレコーディング?(笑)

 ううん。休み、休み 

 休む。(笑) 次のステップのために。普通の男の子に戻る瞬間だから 

 ときどき、本当に早く休みにならないかなとか思っちゃうときに、休みを楽しみにしていいのかって思うときもなくはないんだけど 

 たまに長い休みを取るんだったら、休みにしないで、もっとゆったりしたスケジュールでやりたいとか思っちゃうことがあるんだけど。(笑)  

 前はちょっとした休みより、まとめて休みたいとか言ってたのにね 

 最近また考えが変わってきたの 

 

--全部で70本もやるなんて聞くと、スピッツってそんなにライブが好きだったかしら、って思っちゃう。

 長くスピッツを見てきた人ならではの意見だな。(笑) 

 好きだからやるんじゃなくて、聴きたいっていう人がそれだけいるからやるっていう感じだよね。70本っていっても、けっこう楽にできるんじゃないかって、楽観的なんだけど。ただ不安もあるし、ライブ大好きバンドって見られちゃうのはイヤだから、そのへんだけはちょっと恐れてるんだけど。俺、何回やっても緊張するんだよね。毎日入社試験を受けてるようなものなのよ。(笑) 俺にとってはライブを好きになれっていうほうが難しい…でもそれが与えられた自分のやることだって思ってるから。だからやるの 

 俺にとってはどっちかっていうとマラソン大会みたいなものかな 

 そっちのほうがイヤかも。(笑)  

 しかも自分がまだ校内で5位以内に入るくらいに速かったころの。走るのイヤなんだけど、走ったら満足感はあるし、でも…って感じ 

 もっと好き勝手にやるライブもやってみたいんだけど、コンサート自体初めてってお客さんが多いことを考えると…どうしても性格的にそっちの立場に立ってあげたくなっちゃうから。初めて見る人で、しかもスピッツ以外も見たことがないような人が見たときに、どう思うのかな、っていうことのほうが、自分にとっちゃ大事なの。オーソドックスなんだけど、ちょっとどこかでスピッツってこんな変な人たちなんですよ(笑)、っていうのはわかるような。ただCDを聴いているだけでは感じとれないおもしろいところを、ライブで初めて見た人でも楽しめるっていうのが理想なんだよね 

 それは言えてる。意外と小さい人たちだな、とかね 

 小さいって聞いてたわりには、デカいとか 

 テツヤは意外と怖くない、とか 

 田村は意外と動く、とか。(笑)  

 責任感じちゃうのがよくないのかなぁ 

 でもそれはしょうがないことだよね。こういう状況では 

 

--無責任になれないところが、スピッツの律儀なところですね。

 無責任になってみたい 

 今度のツアーは今までとは少し違う楽しい感じになればいいな。アルバムの曲はけっこうライブ向きだし、前のツアーの影響もすごいあるし。楽しみにしててください。ってことで、俺は今、ツアーグッズの充実を図ってるところ。ゲームボーイポケットも買ったし。俺は緑ので田村は黄色の。あとはね… 

 そういうツアーグッズね。会場で販売するのではなく、自分の。(笑)  

 

--ツアー先に持っていくものね。

 ゲームボーイポケットの銀色が出たの知ってる? 

 うん。くやしいから、あんまり見ないようにしてる。(笑)  

 俺も。(笑)  


スピッツ新聞(正式) 増刊号

スピッツのハート泥棒スペシャル!

みなさまとともに (しつこく) 歩むスピッツ新聞 (正式)。『インディゴ地平線』にハートを奪われてしまった、または奪われる予定のアナタにお送りします!!

 

これが人生のモットーだ!

『インディゴ地平線』のオープニングを飾る曲の名は「花泥棒」。♪この花を渡せたら それが人生だ! という一節にひっかけて、”人生において心がけていること”を4人に聞いてみました。

 

田村明浩

ラクして楽しく生きる

 

 ラクして楽しく生きる、だな。(笑) ラクすることを重要に思ってるわけじゃないんだけど。…あ、やっぱり、常に自分が地球の中心と考える。そうやって考えていると、楽しいことがあると当然自分が中心だから、って思えるし、悲しいことがあっても、「これはきっと俺の人生にドラマ性を与えるために、こういう悲しいことも起こるようになってるんだ」とか考えられるじゃん。

 だからさ、楽しいよ、俺。自分が常にドラマの主役でいられるから(笑)

 でも実際そう思うのは…っていうか、そう思うようにするのは、たいがい悲しいときだよね。楽しいときはそんなこと思わなくてもいいわけじゃん。悲しいときや辛いときは、「これは俺に与えられた試練だ」とか、「なんて俺はかわいそうなんだ。でもかわいそうなところがカッコいい」とか、わざと考えるようにしてる。そうすると、悲しいシチュエーションだって楽しめるし。しょうがない、今日は酒でも飲むか。悲しくて酒を飲んでる俺は寂しげでいいかも、とかさ。(笑) 楽天家ではあると思うよ、自分を。

 

崎山龍男

見せる・聴かせる・言わせる

 

 崎山くんは20歳のときに、この言葉と出会ったという。 ”見せる・聴かせる・言わせる”。

 当時の彼は、ドラマーとして、ひとりの人間として、自己表現が何より苦手で困っちゃっていたらしい。

 とにかく俺、あまり話さない人間でしょ?自分はこう思っているんだよ、っていうことを伝えるのもままならない。それであるとき、「そうだ、こんなふうに自分の中でいくつも言葉を重ねるより、とにかく行動しよう」って思ったんだ。人にわかってもらうために、とにかく動く。そしてひとりのドラマーとして、人に”自分を見せて””音を聴かせて””自分のことについて言わせる”ようになろうって。そうは思っても最初はやっぱりなかなか行動できなくてね。辛い時期もあったんだけれども、この言葉のおかげで、自分がやらなきゃいけないことがどんどんハッキリしてきたっていう感じ。それ以来、自己表現で煮詰まったときはこの言葉を思い出して、ひとり勝手に「よーし、がんばろー」って思うようになったんだ

 これぞ、ポジティブ・シンキング。

 

草野マサムネ

生涯勉強

 

 生涯勉強。(笑) よく考えるのは、子供のころ、こういう大人にはなりたくないなというのがいっぱいあったんですよ。要するにそれにならない、子供のころの自分に嫌がられない大人の自分、そういう20代、30代、壮年期でいたいかなと。…人の見方が打算的、というのがいちばん醜いなと、いつも思ってて。自分はそうはならないぞというこだわりがありますね。でも、そういう自分もいたりして、たまに自己嫌悪になったりするんですけど。

 今、大阪でラジオ番組をやってて、リスナーと話すコーナーがあるんですけど。よっぽどうち解けない限りは、年が10歳下であっても、丁寧語、ですます調で話してしまう。たまに、だれとでもタメ口で話せる人をうらやましく思うんですけど、でもそういうの譲れなかったり、すごく親しくならないと丁寧語が抜けない。幼児を相手にしても赤ちゃん言葉で話したくないし、ひとりの人間として見たいというこだわりがあって…たまにできてないときもあるんですけど。だれとでも真面目に向かい合える自分でいたいと思います

 

三輪テツヤ

普段の生活をおもしろく

 

 普段の生活を「自分にとっておもしろいものにしたい」っていつも感じてて。最近は年とって、体力も低下してくし、酒も次の日残るようになるし(笑)、だけど、自分に無理しない範囲で、クラブに躍りに行くとか、気の合った友達とキャンプに行くとか、野球やるとかさ。そういう、子供の気持ちに戻れる瞬間を大事にしたいんだよね。ライト・ハンドや _早弾き_ 練習することにも意味はあるんだろうけど、俺にとってはそのほうが音楽にプラスになるような気がしててさ。

 だから最近は時間があると出かけることが多くて。シーンとした部屋の中にいると空気の重さを感じるけど、自然の中だと虫も鳴いてるし、風の音もするし、寂しくないんだよね。前はテクノがあんまり好きじゃなかったんだけど、野外のテクノ・イベントに行くようになってから好きになってさ。満月の夜にキャンプ場のイベントとか行くと、湖に霧がかかって、朝日が出て、ホントに音楽と自然がひとつになってる感じがするんだよね。自分たちの音楽も、太陽の光とか、空の青さとか、自然に溶け込むものにしたいんですよね。

 

 

ライブビデオをチェック

 

 スピッツ初のライブ・ビデオが発売されました!”TONGARI '95〜'96”ツアーと、オーケストラの入ったスペシャル・ライブ”カゲロウの集い”の模様が収録されています。

 特に、スピッツのライブをまだ経験したことのない人には見てもらいたいです。で、ライブを一緒に楽しみたいと思ったらツアーに来てください 

 えっと、パチ▼パチだと動かないんですけど、「ジャンボリー1」では動いてるんで、ぜひ見てください 

 結構ヘンな顔とか多い。(笑) ”ウワーッ”とやってる顔とか僕の背中とか、客席から見えないところも映ってます 

 見たことある人もない人も楽しめる内容になってると思う。うん、一家に1本!(笑)  

 

「渚」クリップ拝見

 

 俺のドレッドヘア最後の記念VTRなので、よろしく 

 不思議なビデオなので見てください 

 あっ、これにも俺の背中いっぱい映ってる。(笑) 僕のパッと映る笑顔も見逃さないように 

 今までのからすると、金かかってるなって感じだと思うんですけど。(笑) すごくイマジネーションを広げるビデオになってると思う。「マサムネさんはみんなをダマしてる」という声も聞かれまして。カッコよく映りすぎてるらしいですが。 (これがホントの俺だぞ、と?) ん〜、ま、役者だから俺。(笑) ああいう感じもまた、真実の俺だということで、はい 

 

バーチャファイターII 担当キャラ

 

マサムネ担当 ジェフリー

ジェフリー・マクワイルド。183cm・112kgの大男。オーストラリア出身の39歳。素手による格闘技、パンクラチオンで闘う。パンクラチオンは帝政ローマの時代、武勇自慢の強者が腕を競うことを目的として発達し、打ち倒し、投げ、絞め落としといった格闘技の原始的な力業が進化したもの。趣味はレゲエらしい。

 

テツヤ担当 シュン

舜帝。163cm・63kg。中国出身、84歳。酔拳の特徴は、ジャッキー・チェンの映画でも見られるように、歩き方はよろよろし、しかし風のようにすばやい。あちらに倒れ、前につんのめり、後ろに反り返るといった酔っ払いの状態に、酔拳の攻撃・防御の技巧が内包されている。趣味は、ドリンク・ザ・サケ。

 

崎山担当 ウルフ

ウルフ・フォークフィールド。こちらも182cm・104kgの大男。カナダ出身、30歳。プロレス・スタイルで闘う。プロレスはリングtぽい限定された空間で演じられる喧嘩であり、スタイルは地域や国、それを経営する団体によりまったく異なっている。ウルフは、パワー&スピードを信条とするアメリカン・プロレス。趣味はカラオケ。

 

田村担当 リオン

リオン・ラファールフランス出身。174cm・63kgの17歳。螳螂 (カマキリ) 拳を使う。これは中国地方の17の拳法から優れた技を集めてまとめられた、実践的な拳法。カマキリの攻撃時における両腕の動きに習っている。精密、敏速な動きが特徴。マサムネくんによれば「下のほうばっかり攻めてくる」。この少年の趣味はスケボー。

 

 やったことのある人が見たら、なんかピッタシ…と思うであろうキャラクター選択。やっていくうちにキャラクターの性格がメンバーの性格の影響を及ぼしてきたとか!? 今のところ実力差はナシ。ただ、いつもあまりやらないテツヤさんが、やるとなぜかほとんど勝ってしまうそう。(ビギナーズ・ラックだと他の人は言ってますが!?) 現在はバージョン・アップした「バーチャファイターII」がSEGAより発売中。

 おまけの話。田村君はデビュー2、3年目のころ、レコーディングで煮詰まりきってしまい、気分転換にスタジオでゲームをしていたところ、たまたま来た事務所の社長さんに「ゲームばっかりしてないでベースを弾け」と言われてしまったとか。トホホホホ…。今では懐かしい笑い話だそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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