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文−佐野郷子
草野マサムネ−マ
三輪テツヤ−テ
田村明浩−田
崎山龍男−崎
惑星のかけら<後編>
●野原と木々をバックに大きな弓をグイッとひき、何かを狙いすましている少年ーーこんなジャケットをもつアルバム『惑星のかけら』がリリースされました。今月は久々4人インタビュー。ニュー・アルバムをめぐり新居を語ります。こりゃほんと心ニクイアルバムよ。彼らから放たれたお十矢は、ズバリとあなたの胸にささり、取れなくなってしまうかも…。
燃え上がるような恋じゃない、スロースターターなんだ
カルト(通好み)・バンド。スピッツにつきまとうそんなイメージを取り払ってもらおう、この新しいアルバムで。ソニック・ユース(アメリカのカルト・バンド)があの内容で3万枚も売れる世の中だ。スピッツのこの『惑星のかけら』が聞かれる余地はまだまだゼーンゼンあるのだ。
田 カマしてるでしょ?(笑)1曲目から(←「惑星のかけら」)。派手なアルバムにしたかった。ウチら、地味だからマ 地味かあ?地味っちゃ地味か?
--派手なバンドって例えば?
田 ソフトバレエテ ユニコーン
マ やっぱり性格が出るんでしょ?ノンビリ屋ばっかりだからね
田 今までは探りを入れてたんで、この業界に。で?これじゃダメだって(笑)
マ けど、派手さはありつつ奥ゆかしさもあるというこのバランス感覚
--派手になったのはギターの轟音のせい?
テ 頑張りました。ミニ・アルバムを作った段階でやっぱり4人でやれるものを3枚目では作りたかった
ミニ・アルバム『オーロラになれなかった人のために』はバンド以外のアレンジで草野マサムネの楽曲を提示した。
テ あれが与えた影響は大きい。欲求不満も含めて。あのアルバムでマサムネの曲がすごい可能性を持ってるんだなと思った。音楽的にもアレンジャーの長谷川さんに影響されたところはある。スピッツ・ファンの間では賛否両論だったみたいだけど。変わっちゃったねとか違うねっていう昔からのファンもいたし、好きだっていう新しいファンもいたし崎 アレンジ面ではかなり勉強になりましたね。スピッツに客観的になれたし。『惑星のかけら』は、例えば絵画でいうなら水彩画から油絵のような変化が見られる
マ 立体感のあるいろんな色を持ったアルバムになったと思う。3枚目でやっとスピッツの本質に近づいたんじゃないかな
田 2枚目もカラフルになったとそのときは思ったんだけど、また別の色が出てきたんだろうね
マ 結果的にバンド・サウンドを見直すことになって、本質が浮き上がってきたといえる。バンドとしてのスピッツらしさが。4人のうち誰が欠けても成り立たないスピッツの音になっていると思う
本質とはつまりオリジナリティ也。
崎 1人1人が役割を意識するようになったからバンドの骨格が出きたね
ロカビリー風あり、ジャズ・ロック風あり、サンバ風あり、幅とフトコロも豊かに。
マ スピッツ・ファンはニヤリとしてくれるでしょうという読みもあって(笑)田 ダイナミズムを出したかった。まとまりよりハミ出す感じ。エンジニアがマルコシアス・ヴァンプとかやってる人だったのもすごく大きい
--詞も前よりストレートになったような?
マ 言葉としてのインパクトが強くなってきてると思う崎 わかりやすくなったんじゃない?
田 人間が丸くなったんだよ(笑)
テ …でも、変わってないよ。欲が前より出てきたところはあるかな?
田 人気者になりたい欲?
マ そんなの初めっからあるよ(笑)
田 今度のアルバムの歌詞は想いこみの激しいファンなら、こんなのマサムネさんじゃなぁい!っていうかも。草野マサムネっていう人間のイメージが勝手に膨らんじゃってんのがオレはイヤでさ。虚像マサムネはこれでオシマイ。それでスピッツがせばめられてんのってつまんないしさ
マ 声質がコレだからさ、本気で歌ってないように思われがちで、本気なのに
田 草野のその声だから曲が面白くなったりもするんだけど
マ 男っぽい熱唱型のボーカリストがうたったらただのハードロックになる曲とかあるしね。この声の印象ってデカイね
アルバムも3枚目。心境にも変化あり。
田 危険な変化だったりしてマ 危険な曲はたしかにあるからね。でも草野マサムネの歌を聞かせるっていうより、バンドとしての音を前に出したってことが一番大きな変化だね
田 そうなるのに5年かかったけど。燃え上るような恋じゃないの、ウチは(笑)。スロー・スターターなんだよ
テ ライブやりたい、早く
田 特定の人だけが聞いているっていう次元からも脱却したい。もっと可能性を広げたいというのはある。わかる人だけわかればいい的なのって俺らにはないから。まだまだこのままじゃ済みません、スピッツは