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ジャンボリー文庫「トンガリ'95-'96」 田村明浩

文−田村明浩

 

今僕はマイケル・シェンカーのファーストアルバムを聞きながらこの原稿を書いているのだけど、そういえば僕が初めてロックのライヴを経験したのが中学2年の夏、マイケル・シェンカーだった。静岡に住んでいた僕は東京に住む姉にチケットを取ってもらい夏休みを利用して観に行ったのだった。確かにその時のライブでは「立ち上がると危ない」と警備員の人に注意されるので座って観ていたと思う(アンコールでは立ち上がっていたと思うけど)。そんな中でも初めて体験する大音量と、生で動くマイケル・シェンカーのかっこ良さに興奮しっぱなしだった。その時買ったTシャツは今だに着てる宝物になっている。しかもその時のライヴがレコーディングされ、ライヴアルバムになっているので、今だにそれを聞くとヘッドパンキングをしたくなるのだ。ライヴというのは演奏者がいなければ始まらないんだけど、じゃあ、本人達がいれば成り立つのかというとそういうわけにはいかないんだなぁ(スピッツも以前ホコ天でライヴをやった事があるんだけど、その時は全部自分たちでやってて、すごく疲れた記憶がある)。

スピッツのデビュー当時(CDデビュー前後のことです。こういう区切り方はかっこ悪いなぁ)のアンケートとか読むとやたら「照明がきれいでした」とか「歌詞が聴き取れて良かったです」というのが多かった。今思えばスタッフの人達にすごく助けられていたんだねぇ(話は変わるけど、当時俺達はニコリともせずに演奏していた気がする。客席もほとんど見た記憶がないし。うーんスタッフは俺達をどう見てたんでしょうか?)。そんなスタッフ達との関係が本当の意味で良くなってきたのはここ2年の間ぐらいだと思う(メンバーサイドに問題があった。つまり遠慮してたんだね)。

せっかくスタッフの話が出たので紹介してしまいましょう。

まずはサウンドエンジニア(だいたい客席の中に機械が置いてあってそれをいじっている人。PAさんとも言う。各楽器とボーカルのバランスを考え、スピーカーから音を出す人)の山寺さんです。山寺さんはスタッフの中では1番長いつき合いになります。俺達の調子が良いか悪いかは1番良くわかっているはずです。打ち上げ会場ではよく食べます。時々くだらない冗談を言って自分で「ガハハ」と笑っています。気持ちいいこと大好きだそうです(キレイな奥さんがいます。それでもという方なら…)。

次はモニターエンジニア(ステージ上の楽器とボーカルのバランスを考えて、各自のスピーカーから音を出す人。例えば俺とテツヤのスピーカーから出てる音のバランスは違うのだ。)の佐藤正明君です。普段は真面目な彼ですが酔っ払うと急にニヤニヤ笑いだし、目がスケベになります。ツアー中は結婚指輪をはずしている佐藤君です。

もう1人サウンドクルー(佐藤君の仲間)の白神龍一君がいます。実をいうと佐藤君より年上だと思っていたら、5つも年下の25才でした。まだあまり俺達には本性を見せてないのでこのツアーではぜひ見たいものです。誰とでもすぐ友だち(女)になれると自分では言ってます。

次はライティングデザイナー(照明さんとも言う)の橋本博昭さんです。橋本さんは他のスタッフにケンタッキーフライドチキンのお土産をよく持って来ます(遅刻した罰なのだそうだ。スピッツ内でもそうしたら良いかも)。車好きでコルベットに乗っています。ゲームセンターでは自分の車をナイジェル橋本と言っています(今考えた)。確かに去年までは1番速かったです(今年は負けませんよ。アーバイン田村より)。打ち上げ会場では「ナロウ!!」と怒っていることが多いです。眠くなるとすぐ帰るマイペースな人です。

あと照明チームには松井幸子さんがいます。マッちゃんは笑顔がかわいい女の子です。ライヴハウスで働いていた彼女は、スピッツの照明がとても気に入り、今の会社に入ったそうです(彼女が言うには、橋本さんの照明が好きで入ったそうだ)。

そのマッちゃんをお気に入りの奴は小林正樹君です(通称コバ)。彼はずばり宴会部長です(彼は僕に酒を覚えさせました)。打ち上げでは酒ばかり飲んで食べ物はほとんど口にしません。飲み始めれば必ず最後までいます。楽器の面倒もみています(ローディーとも言う)。朝まで酒を飲んでいたとしてもその3時間後には仕事をしているから不思議です(酒を残っている方がよく働く)。あねごが言うには”妹がいっぱい”だそうです。

もう1人片山順二君というローディーがいます(ステージ上で楽器をチューニングしている小さい方が片山で大きくて長髪の方がコバなのだ)。彼はスタッフの中で1番年下でよく失敗をするのでいつも怒鳴られています。もうそろそろ新人(去年のスピッツのツアーがデビュー)ではなくなるので、今回のツアーが正念場です。同郷人としてはぜひがんばって欲しいです。打ち上げ会場では食いまくります。酒はあまり飲めない片山順二22才彼女募集中です。

このようなバラバラなスタッフをまとめるのが、ステージマネージャー(舞台監督とも言う。全体を見ていろいろな進行をスムーズに行い、ライヴのプランを立てる偉い人)の杉山悟さんです。杉さんは春のツアーから参加してくれているのだけど、メンバーに溶け込んでくれてとても話しやすいです。客観的に意見を言ってくれるのでとても参考になります。よくリハーサルの前に6時から野球(ソフトボール)をやってきて眠いと言っています。野球好きなだけに”俺がルールブックだ!”と言ってはばからない舞監です。

あとマネージャーの坂口優治君がいます。グッちゃんはマネージャーといっても何でも自分でやりたがる人なので大忙しです(自分の身体のことも考えてくれぃ)。ステージのプランを杉さんと話し合ったり、ライヴのリハーサルの計画を立てたり、ツアースケジュールを立てたり、ライヴ以外のマネージャーの仕事もあるし、グッちゃんがいないと話しにならない事が多いので倒れられると困るのです。ちなみに彼は、酔っ払うと顔が真っ赤になり、真面目に熱く音楽の事を話し、2〜3時間眠って、その後元気になります。メンバーよりもメンバーっぽいので見たらすぐわかります(髪が長くてスヌーピーに似ています)。

最後にスタッフというかライヴではほとんどメンバーの1人になっているキーボードの明石敏子さんです。スタッフのみんなからは”あねご”と呼ばれています。”あねご”と言っても実はメンバーより年下で、普段はとてものんびりやなのですが酔っ払うともう彼女を中心に世界が回ります(スピッツの前では1回しかそんな姿を見せていないのだが、あまりにもインパクトがあり過ぎて今だに言われているのだ)。そんな時のお気に入りは、橋本さん、山寺さんで年上の彼達がほとんど言いなりになっています(本人は記憶がないそうだ)。ライヴ中はメンバーを暖かく見守って演奏している姿はまさに”あねご”のようです。

他にも地方のプロモーターの方とか、楽器の運搬車のドライバーさんとか、ライヴ会場のアルバイト君とか(他にもいっぱいいるけど、書ききれないのでごめんなさい)、そんな人達がいてスピッツのライヴは成り立っているのです。スピッツの他のメンバーの事は次の機会にでも書きたいと思います。こんな連中と一緒なんだからツアーは楽しくてしかたないわけです。

こんなCDを聴きながらこの原稿を書きました。
●THE MICHAEL SHENKER GROUP 「THE MICHAEL SHENKER GROUP」
●THE WHO 「WHO'S NEXT」
●SPIRAL LIFE 「FLOURISH」
●THE BLUES BROTHERS 「ORIGINAL SOUNSTRACK RECORDING」
●JONI MITCHELL 「SHADOWS AND LIGHT」
●THE CLASH 「LONDON CALLING」

 

 

 

 

 

   

 

 

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