まずは、概要から紹介しますね。
Q1、2でゲインを上げて、アッパーの回路に入ります。
ダイオードで波形を切って、フィルタ回路、2種類のトーンを選択します。
VOLUMEの後に、もう一回、ゲインを上げて出力しています。
回路に関しては、以上で終了です。
「横着するなよ。」すみません。
Q1、2は、ゲインを稼ぐ回路ですね。
Q3の分割で、Q4、5で差動を作っています。
この段階で、信号は、もうヒイヒイと言わされています。やられちゃっています。
ですので、倍音が出放題です。「あらま、そんなに出しちゃって。」の状態です。
信号は、もう一筋縄では収まりません。二筋、三筋、イヤ、何十縄もの縄が現れて参ります。この縄は、倍音ですよ。
となると、その倍音が重なり合って、相まって、出てくるのがアッパー、オクターブ上のサウンドです。
交互の波形が入り、互いを交じり合わせて、波形を無理からに2倍にし、アッパーを出しています。
この信号には、増幅された倍音の波形も加わますので、それらが混じりあい、この豪快なサウンドを形成しています。
ギターの出力によってアッパーの出方が変わるのは、その周波数によるものです。
続いて、まだ、その上にクリッピングを仕込ませています。「もうダメ。」とでも言わせたいのでしょうか。
さらに、歪みが強調されています。
しかし、その次で、フェミニンな対応をしていますね。フィルタでやさしく包み込んでいます。
音質を補正しています。
1つは、中域に寄せたサウンド、もう1つは、中域を抑え、高低域を強調させたサウンド、いわゆるドンシャリです。
次に、VOLUMEで全体を落ち着かせたところで、Q6で最後のキメに入ります。
ドンと高上させて、ゴールです。
このドンと高上のQ6の回路が、このモデルには重要な部分だと思います。
パーツの値が少し違いますが、Q6の回路は、LPB、キットのGAIN BOOSTERと同じ様相ですね。
シンプルなブースターの回路です。
ご存知、BIG MUFFの後段にも、同じような回路がありますよね。
クリッピングやフィルタで、どうしてもゲインが落ちるので、このQ6の回路、ブースターでゲインを持たせたのでしょう。
「別に、後にブースターを載せなくても、ゲインが落ちるんだったら、その前にあるVOLUMEを上げたらいいでしょ。」
ですね。VOLUMEを上げれば、音量は補えます。
ですが、音圧、迫力は補えません。
また、DRIVEを下げた設定では、音量にも不足を感じると思いますよ。
このQ6の回路が、後から付け足したように見えるのは、私だけでしょうか。
「これじゃ、ちょっと大人しいな。もっと迫力が欲しいな。なんかこう、ワァーっと来るようなさぁ、迫力が欲しいんだよ。」
と、モニターの方が言われたのでしょうか。
「後ろにさぁ、LPBを繋げたら気持ちいいよ。STみたいなトレブルブースターではなかったわ、LPBだわ。」
と、誰かさんが発見したのでしょうか。
「設計の最初から、Q6の回路はあったんだよ。」
と、設計者に怒られるかも知れませんので、妙な憶測は終了します。
ご存知のように、歪の多いエフェクターは、アタックが抑えられ、芯のないベッダリとしたサウンドになりやすいものです。
ファズに関わらず、最新のディストーションでも同じことが言えます。
歪みは波形を切って作る要素なので、歪みをたくさん求めると、音圧が欠けることは避けられません。
ゆえに設けられたのが、このQ6の回路です。全体の音圧、迫力を補っています。
アッパーを備えた豪華なファズですが、このシンプルなQ6の回路が、このモデルを名機にした理由だと思います。
「解ってるよ、そんなことは。」ですね。
回路の概要は、以上です。
「どんな音が出てくるの。」それは、作ってのお楽しみです。
概要は、BABY CRYINGで紹介しましたが、ご覧のように、SUPER FUZZも同じです。
異なるところは、C2 0.0022uが0.001u、C7、8 10uとR14、15 470の配置、それとC16 10u、パスコンの有無のみです。
C2の違いは、大差ありません。ノイズの出方が、ほんの少し変わる程度です。
C7、8とR14、15の配置も同じく、あまり影響はありません。内容の違いは、設計、作り直した人の好みでしょう。
他の既製品も、生産時期によって仕様が違いますよね。それと同じです。
C16もそうです。「こっちの方が、安定して動くでしょ。」と、後から付け足したものだと思います。
ゴリさんのレイアウトを使えば、どっちでも作れると思います。
サウンドの違いは、印象だけだと思いますが、好みの仕様を選択して下さい。
続いて、最後の回路図です。
迷ったんですよ、名前に。BABY FUZZにしようか、SUPER CRYINGにしょうか。
これ、SUPER CRYINGは、改造バージョンです。
「改造って、大して変わってないでしょ。」はい、その通りです。
バイパスの切り替えを、トゥルーバイパスに直して、LEDとDCジャックを付けただけです。
パーツの値や配置、有無などは、BABY CRYINGとSUPER FUZZを参考に、ご自身で選択して下さい。
「おい、VOLUMEの前になんかあるぞ。」はい、あります。可変フィルタを載せました。
R33 100KAとC17 0.022uのフィルタです。
これは、ハイカットフィルタ、右に回すと高域を、左に回すと低域を強調する通常のトーンコントロールです。
正確には、左に回すと高域を減少、補正するコントロールですね。
ご存知、ACE TONEさんのFM-2にあります、FUZZ ADJですね。
回路的には、このFM-2は、BABY CRYINGやSUPER FUZZとほぼ同じです。
Q1、2を、1石にして、歪みの量や質を、ややマイルドにしています。
それと、FM-2には、DRIVEがありません。VOLUMEが、歪みの量と音量の調整を兼ねています。
それでなのか、後から付け足されるように、FUZZ ADJ、ハイカットフィルタがあります。
このFUZZ ADJの作り方は、後ほど。
TONEの回路、セレクト機能は、全く同じものが載っています。
クリッピングがシリコンなので、全体の質感も違います。BABY CRYINGやSUPER FUZZは、ゲルマですね。
豪快なファズが好きな方は、BABY CRYINGやSUPER FUZZ。
甘めのサウンドが出せ、全体的に扱いやすいと思いますので、オーバードライブが好きな方は、FM-2の方がお薦めですかね。
SUPER CRYINGは、豪快なところに、甘めのサウンドを備えた仕様です。
ツマミとフルにしておけば、FUZZ ADJ、ハイカットフィルタを介しませんので、載せとけば、いろいろと便利ですよ。
ハイがキツいマーシャルとかを爆音で使うときには、特に便利です。
このSUPER CRYINGも、ゴリさんの基板で作れますよ。 |