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<ニュース・サマリー>

高速道路なぜ着陸できなかった?

 

 HEM-Net(NPO法人・救急ヘリ病院ネットワーク)は去る7月16日、「東名高速道路多重玉突き事故」の事例検討会を開催した。この会合は、6月23日に発生した交通事故に際し、消防機関の要請で飛来したドクターヘリが現場上空で待機させられたまま着陸できなかった問題を取り上げ、今後のあるべき姿を検討したもので、約30人が参加した。

 最初に事故対応の当事者である愛知県の現地消防本部、県警、防災航空隊、ヘリコプター搭乗の医師、ならびに応援に飛んだ静岡県ドクターヘリの医師などが当日の状況、対応にあたっての判断と処置などを具体的に説明し、HEM-Net会員ほか警察庁、航空局、消防庁など関係官庁からの出席者を含めて積極的な質疑応答や意見交換がおこなわれた。

 焦点は、ドクターヘリがなぜ事故現場の高速道路上に着陸できなかったのか、関係機関の連携はどうなっていたのか、今後どうすれば迅速かつ円滑な救急活動ができるのか、といった課題や問題点を明らかにし、解決策を考え、実行に移すことにあるが、検討内容は近く報告書にまとめられる予定。(『日刊航空通信』2003年7月18日付より要約)

 なお、この検討会の対象となった東名玉突き事故の問題点について、読売新聞は「ドクターヘリ遅れる――着陸場所探して本線渋滞で断念」と題し、次のように書いている。

 愛知県新城市の東名高速道路で4人が死亡、13人が重軽傷を負った多重玉突き事故で、同市消防本部から要請を受けドクターヘリ2機が、本線上や最寄りのパーキング・エリアに着陸できず、1機は約10分間こわたリ、上空で待機する事態になっていたことがわかった。ヘリコプターは結果的に現場から約100メートル離れた広場に着陸できたものの、「ヘリポートが十分に整備されていない場所では、本線上の着陸も柔軟に考えるべきではないか」と指摘する声も上がっている。

 この事故では愛知県と静岡県から、合わせて2機のドクターへりが出動した。このうち愛知医科大学のヘリコプターは、新城市消防本部から出動要請があった直後、医師と看護師をのせて離陸した。十数分で現場上空に到着した。

 消防本部などでは本線への着陸を検討したものの、日本道路公団から「本線は渋滞中で、パーキングエリアもスベースがない」と説明されたため、着陸を断念した。下り線を通行止めにして着陸スペースを空ける案は検討されなかった。

 こうした着陸場所の協議のため、ヘリコプターは医師と看護士が乗ったまま上空で旋回、数分間の無駄な時間を過ごした。結局、東へ約100メートル離れた大原運動公園に着陸、患者の応急手当などにあたった。

 愛知医科大学は「高速道路の事故では、ドクターヘリだけが怪我人の命を救える手段になることもある。本線への着陸は海外で成果をあげており、国内でも検討してほしい」と語っている。(読売新聞中部版、2003年7月1日付より要約) 

(JSAS、2003.7.29)

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