<朝日新聞>
愛知万博の救急医療を統括
ひと――野口 宏さん(61) にぎわう愛知万博の会場は、名古屋市の東隣に現れた「10万人都市」。先進の米国シアトルに引けをとらない手厚い救急体制がある。
電気自動車に乗った救急救命土が、173ヘクタールの丘陸地を回って備える。心臓発作で倒れた人に電気ショックを与える医僚機器AEDは100台余。消防署が特設され、診療所に救命医が待機。ドクターヘリは2分で飛んで来る。
愛知医科大の救命救急センター部長。県の医療審議会のメンバーとして2年前、万博協会が「急患は救急車で病院へ」と考えていると知った。
万博協会へ乗り込み、「助かる命も肋からない。せめてAEDはシアトル並みに」と幹部に翻意を迫った。その迫力に押されたのか昨年、医療アドバイザーに指名された。
米国留学中の81年、小学生がプールに入る前、人工呼吸や心臓マッサージを教わるのに驚いた。命を救うため、救急隊が着くまで蘇生を試みる。日本では「患者は安静に。一般人は触るな」というのが常識だった。
開幕前、約3千人の万博スタッフが救命講習を受けた。昨夏から誰でも使えるようになったAEDは、消防隊員と同じように訓練した。
開幕3ヵ月間に5人が心停止で倒れたが、4人は蘇生法や電気ショックで助かった。「愛知万博は救命救急のパビリオン。これが社会の常識になってこそ.真の先進国です」
(松田昌也、朝日新聞2005年6月26日付「ひと」欄より要約)
昨年12月、高速道路へのドクターヘリ着陸訓練の際、
日本道路公団近藤剛総裁ならびに国会議員の皆さんと
(写真右端:野口宏教授/日本航空医療学会理事)(JSAS、2005.7.5)
(表紙へ戻る)