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<産経新聞>

ドクターヘリに医療保険適用を検討

普及へ財源確保

 厚生労働省は6月10日、医師不足解消の有効な手段と期待される「ドクターヘリ」の普及に向け、運航費用の一部に医療保険適用の対象とする方向で検討に入った。政府は、救急時の医師派遣や、現場からの患者の搬送が中心だったドクターヘリを普及させ、医師不足地域の回診にも利用する構想を持っている。ただ、財政上の理由からヘリコプター導入に冷ややかな自治体も多く、打開策が求められていた。

 医療保険が適用された場合、実際に患者が支払うのは、患者負担分の3割になる。このため運航費用のどの程度を適用対象にするかなどが課題となる。

 ドクターヘリは2001年度に岡山、千葉などが導入。現在は9道県で10機(静岡県は2機)の運航が行なわれており、今年度中に長崎県も導入する。

 厚労省は、小児科医や産科医をはじめ、全国的な医師の偏在や不足の解消に、山間部や離島対策としてドクターヘリの機能強化を図っている。

 しかしドクターヘリの普及に当たって最大のネックになるのが財政負担だ。ドクターヘリの運営は、ヘリコプターが常駐する病院が行なっている。ヘリ賃借料や燃料費などの運航費用については、国と都道府県が年間8,500万円ずつ計1.7億円を補助しているが、これを超える費用は病院の持ち出しになっている。

 補助は、都道府県単位で、静岡県のように2機導入しても、増額されないうえ、出動回数が増えると運航費がかさんでくる。導入を促進するには、公的補助の増額がテーマになるのは必至で、財源手当てが急務となっていた。

 そこで、浮上したのが、既に診療報酬となっている「救急搬送診療料」とは別に、運航費用の一部を医療保険対象に含めることで都道府県側の補助金負担額を軽減する案だ。その際、ヘリがない県の保険加入者の保険料が他県のドクターヘリ費用として使われることへの不公平感が広がりかねない。

 このため、厚労省は各県に導入を促すと同時に、近隣3県程度での広域利用も進め、ほぼ全国をカバーできるめどが立った時点で、構想を具体化させる考えだ。

用語解説

 ドクターヘリとは、救急機器を装備した救急救命を行う専用ヘリコプター。運航は民間会社に委託する。通常は救命救急センターのある病院のヘリポートに常駐し、事故などで一刻を争う患者が出た場合、消防機関などの出動要請に基づき専門医や看護師を乗せて出動する。救命救急センターに搬送するまでの間に応急的な治療を行う。出動回数は年間300〜600回程度。都道府県の防災用ヘリなどが患者搬送に出動することも多いが、通常、医師は搭乗せず、医療機器も十分でないケースも多い。

(「産経新聞」2006年6月11日付より要約)

千葉県の医師不足問題

 山武地域などで医師不足や患者の緊急搬送の遅れが深刻化している問題で、堂本暁子知事は5月31日、県内各市町村長との懇談会の中で「はっきり言って特効薬はない」と説明した。しかし、東金市の志賀直温市長は納得せず、「緊急対策ということで取り組んでほしい。具体策として一刻も早い手当てをお願いしたい」と、夜間のドクターヘリによる患者搬送など、県が具体策に取り組むよう強く注文をつけた。

 この問題で、県は平成18年度に、医師の確保と定着、緊急医療体制の整備を目指す事業に積極的に取り組むとしている。しかし、県内の大学病院からの医師派遣や医師を引き寄せる魅力的な病院作りなど、当面の医師確保対策は暗礁に乗り上げているのが現状だ。

(「産経新聞」2006年6月1日付より要約)

(JSAS、2006.6.14)

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