<公明新聞> ―― 主 張 ――
ドクターヘリ全国配備の加速を期待 6月27日に公布された「救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法」(ドクターヘリ特別法)に基づき、全国的な整備や、助成金の交付事業を担う法人制度のあり方などを検討する厚生労働省の検討会が、今週からスタートする。
検討会は年内をめどにとりまとめを行う予定だが、ドクターヘリ特別法が国会で全会一致で成立したことを見ても、いかに国民の期待が大きいか分かる。救命率の向上、へき地や離島の医療支援の充実などに十分な力を発揮できる態勢づくりへ、法案策定過程で公明党が提示した課題や関係者から寄せられた声などを大いに生かし、実り多い検討を行ってもらいたい。
厚生労働省が2001年に「ドクターヘリ導入促進事業」をスタートさせてから6年たつ。現在、運航されているドクターヘリは11機にとどまり、今年度中に福島県、埼玉県、大阪府で導入が予定されている。期待とは裏腹に全国配備が遅れている背景には、運航費用の半分を拠出する都道府県の負担が重いことに加え、離着陸などに多くの制約を受ける難しさなどが指摘されてきた。
新しいドクターヘリ特別法は、「良質かつ適切な救急医療を効率的に提供する体制の確保に寄与」することを明確に定めたほか、基金による助成金を運航の財源に充てて自治体の負担軽減を図ることを規定した。また都道府県に対し、ドクターヘリを用いた救命救急の目標を地域医療計画に努力義務として定めるよう求めている。さらに法律の付則には、施行後3年をめどに医療保険などの適用を検討する文言も盛り込まれた。
検討会での論議を踏まえ、来年4月から新体制でのスタートをめざすことになるが、一方、公明党が強く主張し法律の付則に盛り込まれた医療保険の適用については、別に厚生労働科学研究などでドクターヘリの効用について調査データを基に検証を行い、費用対効果についても保険適用に向けた根拠を固めることにしている。
東海大学などの協力を得て行われている研究では既に、救急車で患者を搬送するのに比べ、ドクターヘリで搬送した方がその後の入院日数が平均17日短く、入院保険点数も11万点(110万円)低いというドクターヘリの有効性を示唆するデータが得られている。こうした検証を積み重ね、なるべく早期の保険適用が求められる。
ドクターヘリの全国配備に寄せる期待は大きい。危機管理総合研究所の小川和久所長は本紙のインタビューで「先進民主主義国とは政府が一人の国民の命もゆるがせにしない仕組みを確立した国家です。そこでは、国民誰しも常に当事者になる可能性がある交通事故や生活習慣病の症状に対して、迅速な救命措置を施せるシステムが不可欠です。そのシステムづくりが今、ドクターヘリ法の成立によって本格的に始まろうとしている」と述べている。
公明党は一貫してドクターヘリの導入を推進してきた。加えて「マニフェスト2007」に「5年以内に全国50ヵ所」の配備実現を掲げた。今、各地で国会・地方議会議員が一体となり、地域の医療機関、医師会などとも連携して配備を推進している。厚生労働省の検討会も、こうした国民の期待にしっかりと応えてもらいたい。(公明新聞2007年8月21日付けより要約)
(JSAS,2007.8.23)
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