<日本農業新聞>
論説:ドクターヘリ導入急げ ドクターヘリが農作業事故で危なかった人の命を救う。ドクターヘリを運用している長野佐久総合病院救命救急センターが、12日の日本農村医学会で明らかにした。
長野県では年平均で11件の農作業死亡事故が起きている。ヘリコプターが出動すれば救えた命があったのではないか。まずは事故を起こさないことだが、いざという時はヘリの活用も重要だ。ドクターヘリの全国整備も急がなければならない。
農山村は、救急医療体制が弱い上に高度な治療ができる医療機関から遠く、「医療過疎」の地域が多い。一方、農作業事故の中でも農機事故は重傷になりやすく、一刻も早い手当てが必要だ。したがって医師や医療スタッフが直接現場に飛ぶドクターヘリの効果は高い。
佐久総合病院は2005年ドクターヘリを採用した。以来2007年3月末までの21ヵ月間に503件の出動をした。このうち農作業の現場へ出動したのは37件(7%)で、ほとんどが事故による出動だった。傷病者は3歳から90歳までの平均65歳。出動は農繁期の5〜10月に集中している。
事故の半分は、トラクターや刈り払い機などによるもの。残りは伐採中に木の下敷きになった事故などがある。現場で死亡が確認されたため搬送しなかったのが2件、佐久総合病院に搬送したのが27件だが、3件が死亡、あとは歩いて退院した。
緊急手術ができたことなどドクターヘリの出動が明らかに有効だったのが16件で、約6割。ヘリコプターによっていち早く手当てができたからこそ命を救うことができた事故で、明確に「ヘリの有効性が示された」事故だった。
農作業死亡事故は、全国で毎年400件前後起きている。事故を起こさない努力が第一だが、万が一の場合の救急体制の充実も欠かせない。ドクターヘリは2006年度までに11機導入された。今年度は3府県で3機導入される。早急に全国をカバーできる体制を整え、地域の救急機関との連携を密にし、ヘリの機能をいかんなく発揮できるようにすべきだ。(日本農業新聞、2007年10月13日付より要約)
(JSAS,2007.10.14)
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