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<読売新聞>

ドクターヘリで救命率アップ

 医師が医療機器を備えたヘリコプターに乗り込んで救急現場に向かい、患者を治療しながら救命救急センターに搬送する「ドクターヘリ」を配備する都道府県が増えています。その全国配備を推進する「ドクターヘリ特別法」が昨年6月に議員立法で成立し、与党の連立政権合意にもヘリコプターの配備促進が盛り込まれました。患者のさらなる救命率アップが期待されます。

 ドクターヘリは2008年1月現在、全国14ヵ所の救命救急センターに配備され、交通事故や重病人が発生した場合、事故現場にいる救急隊や医療機関の医師が出動を要請し、救急医が現場に向かいます。

 年間の出動は1機あたり354.8件と、ほぼ1日に1回稼働しています。救命救急センターから遠い地域からの搬送のほか、病院間の患者搬送も行います。最近では、交通事故が起きた高速道路上にも着陸するようになりました。

 最大の利点は治療開始までの時間の短縮です。厚生労働省の研究によると、救急隊がヘリコプターを要請してから医師が治療を始めるまでの平均約14分。救急車で病院に搬送された場合より、治療が始まる時間が平均で約27分短縮されました。ヘリコプターの導入によって死亡者が39%減り、後遺症患者も13%減ったという研究もあります。

 政府は2001年度、全国30か所の導入を目標に、年間運営費約1.7億円の半分を都道府県に補助するドクターヘリ導入促進事業を始めました。しかし、県の財政難などが壁となり、導入は計画通りに進んでいません。

 ドクターヘリは諸外国でも導入されており、1970年に導入したドイツでは64ヵ所(05年)、72年に導入したアメリカでは546ヵ所(04年)に配備されています。

 ドクターヘリ特別法では、民間からの寄付による基金を設置し、ヘリコプター運航費などの助成事業を行うとされており、現在、国で新制度について検討が進められています。

 夜間や荒天時に飛べないなど、ヘリにも課題はありますが、導入は救急医療の充実につながります。様々な知恵を生かし、普及を進めてほしいものです。(小山孝、読売新聞、2008年4月3日付より要約)

(JSAS,2008.4.8)

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