<理事会>
ドクターヘリの定義と規制緩和 日本航空医療学会では去る2月23日、理事会を開催し、下記3点について決議しました。ここに公表して、大方のご参考に供します。
1 ドクターヘリの定義 ドクターヘリについて、最近各方面で論議されるようになった。まことに喜ばしいことだが、論者によって同じ「ドクターヘリ」という言葉を使いながら、その認識に異なる点が見られる。今後の混乱を避けるために、日本航空医療学会として、その定義を次のとおり定める。
「ドクターヘリ」とは、下記条件をすべて満たすものとする。
- 重症救急疾患に対応できる医療機器を装備し、医薬品を搭載した救急専用のヘリコプターを使用すること。
- 救命救急センター等高度医療が提供できる医療機関の施設内またはその近くに配備されていること。
- 出動要請がある場合は、当該病院の救急診療に精通した医師および看護師等が原則として3〜5分以内に離陸し患者発生現場に出動できる体制にあること。
- 現場及び搬送中に適切な処置、治療を行い、その患者に適した高度医療機関に搬送できること。
2 ドクターヘリ的運用の定義 上記「ドクターヘリ」には適合しないが、たとえば消防防災ヘリコプターを利用して救急救命活動を行なうことがある。これを「ドクターヘリ的運用」と呼んで、次のとおり定義する。
- 医師が搭乗していること。
- 救急仕様のヘリコプターを用いていること。
- 現場からの出動要請に対して、医師を搭乗させて3〜5分(遅くとも10分以内)に出動できる体制を目標としていること。
- 救急患者発生現場に出動できる体制を有していること。
3 ドクターヘリの離着陸に関する規制緩和 ドクターヘリは救急患者の一刻も早い救命活動に従事していながら、航空法上、警察、消防その他の緊急機関に所属する航空機とは別の扱いを受けている。そのため、たとえば病院間の救急患者搬送などにおいて緊急の間に合わぬことも生じる。
一方、昨年6月ドクターヘリ普及のために「救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法」(平成19年6月27日法律第103号)が公布された。
これらの実情を踏まえて、日本航空医療学会では航空法施行規則第176条に新たに第3項をつけ加え、たとえば次のような文言を入れるよう要望する。
「3 特別措置法に定める救急医療用ヘリコプター」
【参考】
上記の改正要望に関連する航空法および航空法施行規則の条項は次のとおりである。
航空法
<離着陸の場所>
第79条 航空機(国土交通省令で定める航空機を除く。)は、陸上にあっては飛行場以外の場所において、水上にあっては高度交通省令で定める場所において、離陸し、又は、着陸してはならない。但し、国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。<飛行の禁止区域>
第80条 航空機は、国土交通省令で定める航空機の飛行に関し危険を生じるおそれがある区域の上空を飛行してはならない。但し、国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。<最低安全高度>
第81条 航空機は、離陸又は着陸を行う場合を除いて、地上又は水上の人又は物件の安全及び航空機の安全の安全を考慮して国土交通賞省令で定める高度以下の高度で飛行してはならない。但し、国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。<捜索又は救助のための特例>
第81条の2 前3条の規定は、国土交通省令で定める航空機が航空機の事故、海難その他の事故に際し捜索又は救助のためにおこなう航行については、適用しない。航空法施行規則第176条(捜索又は救助のための特例)
法第81条の2の国土交通省令で定める航空機は、次のとおりとする。
1 国土交通省、防衛庁、警察庁、都道府県警察又は地方公共団体の消防機関の使用する航空機であって捜査又は救助を任務とするもの
2 前条に掲げる機関の依頼又は通報により捜査または救助を行う航空機
3 特別措置法に定める救急医療用ヘリコプター(追加を要望)(JSAS,2008.3.25)
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