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査員の講評と主な入賞作品紹介

 

絵 画 講 評

佐 藤 一 視 先 生

 文部科学大臣奨励賞、吉延ゆらぎさんの絵は、最も描きたかったのは何か、はっきり伝わってくる絵です。友達と水しぶきをあげて遊び、少しも疲れを感じさせない活力あふれる絵で、きっと眼は輝いて失敗を気にしないで一気に描きあげたことでしょう。元気あふれる子供たちの歓声が聞こえます。外務大臣賞、北川彩子さんの感想文によると、おばあさんと一緒にお参りする度に、この仏像について聞いています。「落ちついた眼で私たちのことを見守って下さっている気がして……」と。仏像に心を通わせながら描いています。特に背景の金ぱくの古びた表現は独創的で、年代を経た仏像の重厚さと相まって、荘厳な雰囲気を醸し出しています。全力を注ぎ込む努力を続ける人でしょう。日本PTA全国協議会会長賞、宮崎阿弓さんの絵は、特に太鼓を打つ人たちに焦点を当てて、躍動的に表現しています。明快な色彩は、夏祭のにぎわいを的確に伝えています。全国子ども会連合会会長賞、福原耀介さんの絵は、繊細な作者の感性に覆われています。自分の好きな色で好きな形で語っています。機関車から受けた感動を自信にみちた表現で人に伝えようとしています。工夫を重ねながら描くことは楽しく、それを見る人の心をも楽しくさせてくれます。
 全国展審査に集まった絵は、子供たちの精一杯努力した跡が見られ、本人の感想文と合わせ読み取ることができました。一方画面から子供の姿が見えない絵も見られ、気になりました。一人ひとりの思いと表現を正しく読み取り、子供本来の表現を大切にし、大人の都合で描かせることは慎みたいものです。

<絵画の部>
文部科学大臣奨励賞
「みずしぶき」
吉延ゆらぎ
岡山県備前市立三石小学校1年

 私は、学校のプールが大好きです。夏の暑い日に泳ぐのは、とても楽しみでした。水に入るまでは、足の裏がやけどしそうだけど、水に入るといい気持ちです。友達と水をかけあったり、かいとりゲームをして遊びます。そんな楽しいプールをかきました。

外務大臣賞
「高宮寺の黒仏さま」
北川 彩子
滋賀県彦根市立高宮小学校6年

 私の家は、高宮寺の檀家です。幼い頃からおばあちゃんとお参りに行くと、正面の仏様の隣に座っておられる、真っ黒な仏様のことが気になっていました。この仏様の眼には、玉眼がはめこまれています。高宮寺を開いた切阿上人の像らしいということを教えていただき、落ちついた眼で私達のことを見守って下さっている気がして、この仏様の絵をかくことにしました。

日本PTA全国協議会会長賞
 

「天神祭」
宮崎 阿弓
大阪府大阪市立五条小学校6年

 私の家は、天神橋商店街で中華料理店をしています。天神祭のお渡りは、すぐ前を通ります。私はそれを毎年見てきました。その中で一番好きなのは、「催太鼓」です。かつぐ大きな男の人が、苦しく重そうで乱暴で危なそうなところがチョットおもしろいのです。ほとんどの人が同じような浴衣姿なのに、人の格好表情はみんなすごく違うので、とても難しかったです。人の数がとても多く、仕上げるのに思っていたより三倍位の時間がかかりました。写真やパンフレットはとても役に立ちました。太鼓を打つ人の衣装が、あとからでもよく分かりました。自分でもまあまあうまく出来たと思います。がんばって良かったです。

全国子ども会連合会会長賞
 

「冬の汽車」
福原 耀介
青森県弘前市立時敏小学校4年

 図工の時間、学校の隣の交通公園に行った時、公園にある大きな汽関車を見て「走っているみたいにかこう」と思って、この絵をかきました。でも始めは難しそうで「うまくかけるかな」と心配でしたが、「目の前で、大きな汽関車が走っているようにかければいいな」と思いながら、一生懸命かきました。冬の夜に走っている汽車の感じを出したかったので、紺色の画用紙を選んで、白いポスカで汽車の枠をかいたり、汽車が明るく目立つように、色のぬり方を工夫しました。車輪の所や、細かい部分をかく時は大変でしたが、やっと完成できた時、自分でも「うまくかけて良かったな」と思いました。出来上がった絵をじっと見ていたら、本当に走っているように見えてきて、それがとてもうれしかったです。

 

 

<書写の部>

書 写 講 評

飯 森 芳 苑 先 生

 第十三回児童作品展に、見事に入賞されました皆さんおめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
 今回も各地区の審査を経て選び抜かれただけあって、日頃の成果が発揮されたすばらしい作品がほとんどでした。審査では回数を重ね、厳正に慎重に審査をし、又審査員の意見も度々取り入れました。
 金賞の粕谷香菜子さんの「かな」の作品は、体で書いたようにのびのびと無理のない筆使いで、明るく元気よく書けて余白も生きています。前鶴英蔵さんの「雲海」は、一点一画をていねいに書き、筆使いもおおらかで、格好もよくまとめられ好感がもてました。成田祐一さんの「無我」の作品は他に優れた作品があり、審査では甲乙各審査員の意見を取り入れ話し合いをしました。「無我」の作品は筆が良く動き変化もあり、又点画にしてもよく筆が移動して基本を大切にしています。改めて一点一画の大切さを認識していただきたいです。
 全体的に各学年に二字作品が多く、偏らない審査を心掛けましたが、四字作品が不利に思われました。二字の作品は気楽にのびのびとし、個性があり生き生きとしています。四字作品は、紙面に対する心の緊張や上手に書こうという点で、文字の力強さ美しさが不足しているようです。今後は学年によって、課題を設定するのもよいのではないでしょうか。いずれにしても児童の純真な作品には心を打たれますが、作品を仕上げる上では、ただ書くだけでなく一点一画の基本を正しく、きちんと書くことが大切であります。今後もこの喜びや感動を大切にし、個性豊かな作品を創造して下さい。

金 賞
粕谷 香菜子
千葉県鴨川市立西条小学校2年

 私は土曜日の午後と、日曜日の夜に習字を習っています。この作品は、夏休みに書きました。特別練習もありました。「か」のてんへのつながりと、「な」のつながりの所が中々上手に書けなくて、時間がかかってしまいました。「かな」が上手に書けると、名前が上手に書けなかったり、少し汚れてしまったりして、中々終わりませんでした。でも習字は疲れるけど、「上手に書けたね、終わっていいよ。」と言われたり、賞がとれたりすると、とってもうれしいです。家の人も、みんな喜んでくれます。これからもがんばって続けていきたいと思います。ありがとうございました。

金 賞
前鶴 英蔵
山口県下関市立山の田小学校4年

 僕は、四歳の頃から習字を始めました。色々な賞をいただきましたが、最高の賞は初めてです。本当にうれしかったです。「雲海」という字に決めたのは、海という字が好きなので挑戦してみました。下関には関門海峡があって、その景色を頭に浮かべて書きました。これからも、もっともっと練習をしてがんばります。審査をして下さった先生、ありがとうございました。

金 賞
成田 祐一
 青森県田舎館村立光田寺小学校6年

 MOA美術館奨励賞という、夢のような賞をもらってとてもびっくりしています。僕は、小学一年生から習字を習っています。覚えが悪い僕に、一生懸命教えて下さった先生、そして応援してくれた家族のみんなに心から感謝しています。「無我」という課題は、なかなかうまくいかず一度はあきらめた課題でしたが、どうしてもあきらめきれず再挑戦し、やっとこの作品が完成しました。これからもこの賞を励みにがんばっていきたいと思います。

 


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