ピカチウ戦闘航空団
「航空機を製作するには金と勇気が必要である」 by ヴァルター・ピカチウ空軍少佐(1980)
1980年代、スケールモデルのデッドエンドを端的に示していたのがエアモデルであろう
極限に達した資料至上主義は中途半端な、或いは想像で作られた完成品に対し完膚なきまでの酷評を与えた
特に人気のあるドイツ機など作ろうものならまさに四面楚歌
スターリングラードの第6軍に匹敵する深刻な孤立感と、再起不能な敗北を味わうこととなった
「THE OFFICIAL MONOGRAM PAINTING GUID TO GERMAN AIRCRAFT 1935-1945」
というカラーチップがやまほどついた高価な洋書を持っていない者にドイツ機を作ることは許されなかったのである
では資料を抱負に蓄えこんだ者はどのような完成品を作っていたのか?
プロモデラーと呼ばれる人々は例外としてまず完成品を作れる人はいなかった
資料にこだわる余り完成品が作れなくなってしまうのである
豊富な資料に埋もれながらも欠損している部位が多少でもある限り手をつけることが出来ない
資料が資料を呼び、彼らはモデラーではなく資料収集家へと変貌を遂げた
模型作りは趣味、お楽しみの域から大きく外れ、難行苦行の道となった
果たしてそれが楽しいのか?
私は資料収集家になりたいわけでも批評家になりたいわけでもない
私は単にドイツ機が好きなのである
メッサーの脆弱さもフォッケの無骨さも好きなのである
夜間戦闘機のリヒテンシュタインレーダーに製作意欲を感じるのである
ピカチウ戦闘航空団は資料至上主義的批評には一切耳を傾けるつもりは無い
作らず批評する者は同じ土俵にあるとは認めないし、同じ土俵にいない者と戦うことは出来ない
好きだから作る、あるいは作ってみたいと思う、それ以上に何が必要なのか
今こそ、冒頭に記した1980年の言葉を捨て去ろう
深遠なる魅力をたたえたドイツ機の世界を満喫するのに他者の目を気にする必要は無い
自らの嗜好で作り楽しむことが模型を愛する道である
2000年2月 ヴァルター・ピカチウ空軍少佐
エースパイロットの乗機
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