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パストラルケアについて

パストラルケアというのは、キリスト教を土台として始まったものです。パストラルという言葉の語源はラテン語のパストルという言葉からきています。この言葉を日本語に訳しますと、羊飼い・牧者という意味です。聖書の中に「私は良い羊飼いである 良い羊飼いは羊のために命を捨てる」(ヨハネ福音書10章11節)という箇所があります。 この箇所からパストラルケアはきています。良い羊飼いというのはイエスキリストで、羊は私たち人間一人一人をあらわしています。そのことから神様が一人一人の人間をどのように愛し、大切にして下さっているかを示し、パストラルケアは全ての人間が愛され、尊重され、大切にされる存在であることを心にとめ、特にスピリチュアル(心、霊、魂)な領域に配慮しながら、同伴させていただくケアです。

全人的苦痛とパストラルケア

ホスピスケアの理念の一つに全人的ケアがあります。ガン患者さんの苦痛は単に身体的な側面だけではなく、精神的 社会的スピリチュアルな側面から構成される(全人的苦痛)ことを理解し、ケアしていくことが必要なのです。
全人的な視点で患者さんをとらえ、統合的にケアを提供していくためにはチームケアによるアプローチが重要であり、パストラルケアとは スピリチュアルな苦痛を緩和するためのケアのことです。
私たち人間は、たとえ元気でいても苦しみに出会った時には、心に痛みを覚えます。ましてや病気になったり、死に直面した時などの苦しみは 計り知れません。そのような時には、身体への配慮が必要であるのと同じように、スピリチュアルな痛みへの配慮も必要になります。 パストラルケアはこの領域の痛みが少しでも癒されるようにと同伴するケアです。 パストラルケアは宗教や信仰があるなしに関係なく、人間の存在そのものからわきでる痛みや苦しみに対してケアさせていただくものです。ですから、ケアを望まれる方おひとりおひとりの宗教、信仰や信条、国民性、個性、価値観、習慣などを尊重しながら、その方とともにあって同伴させていただくケアです。

パストラルケアのチーム紹介

チームは養成を受けたスタッフで構成されています。

パストラルケアワーカーの活動内容





パストラルQ&A
Q1:全人的苦痛についてもう少し詳しく教えてください
A1:身体的苦痛についてはホスピスQ&A「緩和医療について」をご覧ください。
まず、社会的苦痛から解説します。これは入院に伴う経済的な問題、例えば医療費や生活費に関わる問題、また家族間の人間関係のトラブル遺産問題 などがあげられます。医療ソーシャルワーカーの援助が必要になるケースがあります。
次に精神的苦痛です。これには不安、いらだち、孤独感、恐れ、うつ状態、怒り、痴呆などの症状があります。身体的苦痛と同じように多くの患者さんにみられる苦痛です。
カウンセリングなどで症状が緩和できる場合もありますが、著しい精神症状に対しては投薬や専門医の関わりが必要です。
スピリチュアルを日本語に直訳すると霊的となります。霊的苦痛という言葉は非常に理解しがたい概念だと思います。
心の痛みと訳してしまうと精神的苦痛とどう違うのか分らなくなってしまいます。そこで、ここではあえてスピリチュアル(spiritual)という言葉をそのまま使わせて いただくことにします。スピリチュアルな苦痛=スピリチュアル・ペインについてのより詳しい解説は次項であらためていたします。

Q2:スピリチュアル・ペイン(spiritual pain)について
A2:ガン患者さんは病気が進行するに従い、さまざまなつらい症状を体験したり、自分でそれまでできていた日常の動作(ADL)ができなくなって いくという体験をします。。例えば、排泄が自分ひとりでできなくなったりすると、自分に対する自身を失ってしまったり、 他人に手を借りなければそういうことさえできなくなったと、自己の存在に対する価値観が揺らいでくることがあります。また死が近づいてくることを自ら感じ、死に対する恐れや死後の世界への思いを抱く方もいらしゃいます。
このように末期の患者さんは、自己の存在の意味自分の人生の意味に悩み、人生を振り返りを行なわなければならない状況におかれます。来たるべき死に対しその中に人間や自然を超越したものを求めることもあります。
こうした人間の根源に関わる苦悩をホスピスケアではスピリチュアル・ペインと呼んでいます。
一般の医療現場ではスピリチュアル・ペインそのものに対する認識がまだまだ不十分であり、それゆえ一般病棟で過ごす多くの末期患者さんの苦悩に対し、 十分なケアが提供されていないのが現状だと思われます。

Q3:ホスピスに入院できるのはキリスト教の信者だけですか?
A3:スペルマン病院はカトリックの精神に基づいて創設された病院ですが、入院にあたり患者さんの宗教や信仰を特定したり、入院後宗教を強要する ことは一切ありません。






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